「おおるり」ついに宇宙へ。帝京大理工学部(宇都宮市)の学生らが開発し、県鳥の名を冠した県産の超小型人工衛星が9日、宇宙空間に解き放たれた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のイプシロンロケットの打ち上げは実に3度の延期を経て、成功した。打ち上げの歓喜の後の夜には、待ち焦がれたおおるりの電波の受信にも何とか成功し、学生たちは胸をなで下ろした。
「3、2、1、0。1段点火リフトオフ」。70秒のカウントダウンが終わった午前9時55分16秒、配信映像越しにごう音が響いた。炎を噴出して宇宙に飛び立つロケットの行方を、キャンパス内の教室に集まった「宇宙システム研究会」の学生や開発に協力した企業の社員ら約30人が、切願のまなざしで追い続けた。