佐世保高1同級生殺害 元少女の収容継続、高裁も支持 2024年まで

 長崎県佐世保市で2014年7月、高校1年の女子生徒=当時(15)=を殺害し、医療(第3種)少年院に収容されている同級生の元少女(23)について、福岡高裁(辻川靖夫裁判長)は9日までに、24年までの収容継続を認めた長崎家裁の決定を支持し、元少女側の抗告を棄却する決定をした。法務省によると、23歳を超えての収容継続は少なくとも平成以降で初めて。決定は4日付。
 法務省によると、少年院の収容は23歳未満までだが、第3種では精神に著しい障害があると、医療の専門的知識を踏まえて矯正教育がさらに必要と判断した場合、26歳になるまで延長を認める規定がある。
 長崎家裁によると、元少女が23歳になるのを前に、収容先の少年院長が収容継続を申請。家裁は審判を開き、8月に24年までの収容継続を認める決定を出した。福岡高裁によると、元少女側は9月7日に決定を不服として抗告した。
 福岡高裁は元少女の精神に著しい障害があることや、矯正教育を継続して行うことが特に必要であると長崎家裁が認めたことについて「いずれにも誤りはない」と判断。長崎家裁の決定を「著しく不当であるとはいえない」と支持した。
 福岡高裁によると、元少女側は決定に不服があれば最高裁に再抗告できる。
 事件は14年7月26日夜に発生し、県警は27日に殺人容疑で元少女を逮捕。長崎家裁は15年7月、医療少年院に送致する保護処分を決定した。


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