【柔道】故斉藤仁さん次男・立が語るGS初優勝舞台裏「怪物のように強い選手がいっぱい」

オンライン取材に応じた斉藤立(東スポWeb)

柔道のグランドスラム(GS)バクー大会(7日、アゼルバイジャン)で優勝した男子100キロ超級の斉藤立(19=国士館大)が10日、オンラインで帰国後の会見を行った。

シニアのワールドツアーを初出場で制した斉藤は、ロサンゼルス&ソウル五輪金メダルで全日本男子監督も務めた故斉藤仁(享年54)さんの次男。開口一番「ホッとしなたという気持ちが一番強いです」。全試合一本勝ちという内容を「思ったよりも自分の柔道が通用した。全体的に技とか、組手とか、力とか」と振り返り、その一方で「これからは大外刈りで相手を投げる力を持たないといけないなと思いました」と課題を挙げることも忘れなかった。

先月のGSパリ大会は練習パートナーとして現地入りし、大会の空気を肌で感じた。「パリを見ていなかったら、現地では味わえない雰囲気を感じられないまま試合に出たのかな」。そう話す斉藤は「パリ見てから自分よりも怪物のように強い外国の選手がいっぱいいるという気持ちになった。その気持ちになれたから、逆に自分のいいところを出せたんじゃないかな」と、実力を発揮できた要因を分析する。

東京五輪は複雑な思いで見ていたという。斉藤は「悔しい部分もあったし、本当に出たかったなと思ったんですけど、冷静に考えて実績も何もなかったので東京五輪は少し難しい部分があった。選手としての見方もあったし、客観的に応援している自分もいた」と当時の心境を明かした。

190センチ、164キロの大器は3年後のパリ五輪へ上々のスタートを切った。「日本での立ち位置はあんまり上ではないと思う。世界では誰も知らないんじゃないですかね。無名なのか分からないですけど、まだまだだと思います」と斉藤。今後の代表争いに向けては「勝ち続けないと選ばれないと思うので、常に勝てる状態を持っていけるようにしないといけない」と力を込めた。

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