『シルバー川柳ベストセレクション』20年間の名作100句傑作集が今月発刊!シニアが詠んだ秀逸な名川柳で大いに笑いたい!

「シルバー川柳」が20周年を迎えたのを機に今月4日、これまでの入選作・約400句(作品)から、さらに選りすぐりの100句を収録した初の傑作集『シルバー川柳ベストセレクション』がリリースされました。

『壁ドンで ズボンの履き換え やっとでき』『インスタバエ 新種の蠅かと 孫に問い』をはじめ、名川柳がぎっしりと詰まっています。

懐かしの名作を探してみてはいかがですか。

人気シリーズ95万部の傑作選

本書はポプラ社(東京・千代田区)が11月4日に発刊したものです。

全国有料老人ホーム協会の主催で2001年に始まったシルバー川柳の公募は、この20年間で21万句以上の作品が寄せられています。

そして2012年からは、ポプラ社がその年の入選作20句を含む88句を掲載した作品集「シルバー川柳」の刊行を開始。
今年で11巻に達し、累計95万部を超える人気シリーズとなりました。

新刊の『ベストセレクション』はその集大成となる“傑作選”です。

(→【高齢者におすすめの新刊本】「在宅ひとり死のススメ」上野 千鶴子著

シニアを応援する粒ぞろいの名句

本書にはこんな句が載っています。

➊まっすぐに 生きてきたのに 腰まがる(愛知県、72歳、女性)

イラスト:古谷充子氏(以下、同じ)

➋マイナンバー ナンマイダーと 聴き違え(山梨県、67歳、男性)

➌懐メロが 新し過ぎて 歌えない(千葉県、65歳、男性)

➍ばあさんの 手づくりマスク 息できず(埼玉県、82歳、男性)

➎誕生日 ローソク吹いて 立ちくらみ

➏「アーンして」 むかしラブラブ いま介護

➐寝坊して 雨戸開ければ 人だかり

➑スクワット しゃがんだままで 立てません

⇒【シニアにおすすめの新刊本】『戦争というもの』半藤 一利著

時代の流行語が名作を生む

この20年間の話題の出来事、流行語などをまとめた「お達者シルバー年表」が収録されている点も本書の見どころです。

特にその年の流行語は、世相を描き出すシルバー川柳に色濃く反映されています。

例えば、2014年の「壁ドン」を取り上げた『壁ドンで ズボンの履き換え やっとでき』は、恋愛と老いとの落差を表現した作品でした。
また、2017年の「インスタ映え」を題材にした『インスタバエ 新種の蠅かと 孫に問い』は、世代間ギャップをうまく笑いに転じています。

どんなに時を経ても、自らの老いを嘆きつつ楽しむ、日常の暮らしにひそむ笑いを見つける、そんなユーモア心は変わっていないようです。
この20年の入選作を読むと、これまでの時代を振り返ることができると思います。

今年はコロナ禍を詠んだ句が圧倒的でしたが、来年はどんなキーワードが話題になるのでしょうか。

⇒【シニアにおすすめの本】『パソコンで描く「絵」の描き方』堀内 辰男著

この20年の名川柳が一冊に

老いを肯定的にとらえ、気軽に楽しめると評判のシルバー川柳。

高齢者の日々の生活を題材とし、全国のシニア層を中心に幅広い年代層から応募があります。

シニア世代の第二の人生を応援するシルバー川柳はいま、超高齢社会の世相を反映する日本の代表的な川柳となりました。

【本の情報】
〇書 名:『シルバー川柳ベストセレクション』
〇編 集:公益社団法人全国有料老人ホーム協会、ポプラ社編集部
〇定 価:1,320円(本体1,200円)
〇発売日:2021年11月4日
「あの世ではお友達よと妻が言い」
「聞くたびに話が違う若い頃」
「足腰を鍛えりゃ徘徊おそれられ」
「見くびるな賞味期限は切れとらん」
本書の詳細はこちら

本記事と画像の出典:㈱ポプラ社 公式サイト(イラスト制作:古谷充子氏)

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