閉館の京急油壺マリンパークから寄贈 横須賀でダイオウイカの標本など5点展示

全長約8メートルのダイオウイカのレプリカ。大き過ぎるため、天井につるされている

 9月末に閉館した京急油壺マリンパーク(神奈川県三浦市三崎町小網代)から寄贈された貴重な標本やレプリカが、横須賀市鴨居の観音崎自然博物館に展示されている。横須賀沖で捕獲されたダイオウイカなどで、同博物館は「東京湾の豊かな自然を裏付けるものとして大切にしていきたい」と話している。

 寄贈されたのは、若い個体(全長4.4メートル)と子ども(同1.3メートル)のダイオウイカの標本、約8メートルに及ぶダイオウイカの巨大レプリカ、城ケ島沖で1984年に捕獲されたミツクリザメ(同3.1メートル)の剥製、マンボウのレプリカの計5点。

 若いダイオウイカは2014年、生きたまま走水港に揚がった。太平洋側では5個体目の捕獲で、マリンパークでは学術解剖をした後、ホルマリン標本にして公開していた。世界でも4例目という子どものダイオウイカは翌15年、大津港で見つかり、アクリル樹脂に封入して公開していた。

 同博物館は近年、東京湾集水域に焦点を当てた展示に力を入れている。東京湾に関係する貴重な生き物の標本やレプリカの譲渡をマリンパークに依頼したところ快諾してくれたという。

 今月8日までに搬入作業を終え、正面入り口のホールに展示。今後、解説板などを設置する。河野えり子館長は「標本は保存状態もいい。多くの人に東京湾の豊かさを実感してほしい」と来館を呼び掛けている。

 午前9時~午後5時。入館料は大人500円、小中学生200円、4歳以上100円。問い合わせは、同博物館電話046(841)1533。

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