【第2次岸田内閣発足】コロナ対応「現場任せの状況変わらず」 神奈川の医療現場に危機感

コロナ患者の治療に奔走する医療現場(写真と本文は関係ありません)

 第2次岸田内閣がスタートした。「第6波」が懸念される新型コロナウイルス対策、被爆者らが切望する核兵器廃絶、待ったなしの脱炭素社会の実現─。山積する国内外の課題に、いかに対応するか。衆院選を経て本格始動した岸田内閣への注文を、神奈川県内関係者に聞いた。

 県内の民間病院で新型コロナウイルス患者の受け入れ調整に当たる医療事務の30代男性は、政府が示したコロナ対応の方針に「現場任せの状況は変わらない。われわれもボランティアじゃない」と危機感を募らせる。

 県内の新規感染者数は10月下旬以降、1日10~20人程度で推移する小康状態に。医療現場ではコロナ病床を一般病床に戻す流れが出始め、コロナ患者を受け入れる男性の勤務先も平時の体制に移行している。

 一方で、政府は今後予想される「第6波」で今夏の2倍の感染力を想定し、コロナ病床の2割増を明言した。ただ、増床に向けた人員のやりくりなどは現場頼みで、男性は「感染者が急増しても、すぐに体制を切り替えることは難しい」と危惧する。

 感染拡大時には病床利用率を8割以上とする方針も実現は困難と受け止める。受け入れ実績がないコロナ病床に補助金が支給されたケースがあったことなどを改善する策ではあるが、男性は「人手が足りないままでは、増やした病床は埋められない」と見通しを語る。

 さらに「病床増以外の対策が見えない」ことに不安を抱く。

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