【セCS】快挙達成! ヤクルト・奥川はデビュー戦も初完封劇も「11月10日」

完封勝利をおさめ中村(左)とタッチを交わす奥川(東スポWeb)

ヤクルトの2年目右腕・奥川恭伸投手(20)が、プロ初完投勝利をポストシーズンの大一番、しかも初完封で飾った。お立ち台では「試合前からとても緊張していたので、ほっとしています」と笑顔を見せた。

登板前から「意識はしていました」と話したように、11月10日は奥川にとって縁のある日だ。ルーキーイヤーの昨年11月10日の広島戦(神宮)で一軍デビュー。結果は2回0/3を9安打5失点という大炎上だった。

この日は「何かいいことが起こってくれないかなとか思っていました」と臨み、無四球で初完封。相手は広島ではなく巨人だったが「昨年の今日は悔しい思いをしましたので、借りを返せたかなと思います」と語った。

デビュー戦は苦すぎる思い出の一コマだ。「なんか中途半端にマウンドに立ってしまったというか…。いい意味で緊張しきれてないというか…。1年間の中で一番悪かったんじゃないかな」と振り返るほどの試合だった。

ただ、今では前向きにとらえている。「去年の段階で一軍の舞台を経験させてもらったことで、やっぱり今年にすごく生きてるなと。たった1試合ですけど、自分にとっては大きなものだった。今に生きているなと思います」

高津監督は奥川に「技術はもちろんだと思うが、メンタルの強さとか、野球脳というか野球の頭というか、そういうところもしっかりできているのかなと思っています」と絶賛しつつも「これだけの大一番でこれだけの投球をするところまではさすがに想像はしてなかったです」と驚くほど。

シーズンでも18試合に先発して9勝4敗、防御率3・26の成績を残し、飛躍の年となった。それでも奥川は「まだ球も速くしたいですし、走者を抱えた時もしっかりボールを操って投げたいですし、もっともっとキレのある変化球を投げたいですし、そういうところ(を改善したい)かなと思います」と満足はしていない。チームがファイナルで巨人を撃破すれば、日本シリーズ第1戦は中9日で臨める。次なる大一番でも期待だ。

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