ボクシング世界選手権・金の坪井が悲壮覚悟明かす「引退の覚悟も持って臨んだ」

オンライン取材に応じた坪井智也(東スポWeb)

ボクシング世界選手権(セルビア・ベオグラード)で、ウエルター級の岡沢セオン(25=INSPA)とともに日本勢初の優勝を遂げたバンタム級の坪井智也(25=自衛隊)が11日、オンラインで会見に臨んだ。

金メダルとチャンピオンベルトを手にした坪井は「たくさんの人からおめでとうという連絡をいただいて、ああ優勝したんだな、とちょっとずつ実感している」と笑顔を見せた。

フライ級で出場を目指した東京五輪は全日本選手権決勝で敗れ、出場ならず。一時は引退も考えたが「こんなところで辞めたら後悔する」と奮起。自分のボクシングを見直した。「五輪予選の時は好戦的スタイル一辺倒だった。そこから、好戦的スタイルと技術を使ったボクシングを融合させた」。世界で勝てるボクシングを磨いてきた努力が実を結んだ。精神的にも「今回は引退の覚悟も持ちながら臨んだ大会。パリ五輪は目指しているが、そのなかで優勝という結果を残せ、うれしい」と、あえて自分を追い込んでいたことを明かした。

世界王者になったが、まだまだ伸びしろがあると実感している。「来年の8、9月にアジア大会があるので、選考会に勝って代表に選ばれ、金メダルを取りたい。課題もすごく見つかったので、それを修正したらもっと強くなれると信じている」。さらなる進化を遂げるつもりだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社