自民党の細田派(清和政策研究会)は11日、党本部で会合を開き、新会長に安倍晋三元首相(67)の就任を正式に決めた。
同派はこれまで会長を務めた細田博之元官房長官(77)が衆院議長に就任したことに伴い、西村康稔事務総長(59)をはじめ派閥幹部らが安倍氏に会長への就任を要請していた。
安倍氏は2012年の党総裁に伴い、細田派前身の町村派を離脱。2020年9月の首相就任後も無派閥でいた。
衆院選後、〝安倍派〟の国会議員は衆参合わせて93人。安倍氏は党内最大派閥トップとして影響力を持つことになる。
安倍氏はあいさつで「憲法改正はまさに立党以来の党是です。この議論の先頭に清和会は立とうではありませんか」と力強く語った。
党内では岸田文雄首相(64)が安倍氏の〝萩生田光一官房長官、高市早苗幹事長プラン〟を聞き入れなかったことで「両氏の関係がギクシャクしている」といわれ、不穏なムードが漂っている。
「安倍氏は岸田内閣にスキャンダルが起きて支持率が下落した時に、高市氏を新総裁候補として持ち上げると見られています」(永田町関係者)
一方、安倍派の発足をめぐっては、ネット上で「〝脱派閥〟は人気を取るためだったのか。有権者は振り回された」「モリカケの説明責任を無視して、あっさり上に返り咲いた。国民はなめられている」と怒りの書き込みも寄せられている。
9年ぶりに派閥に戻った安倍氏がどう動くのか、目が離せない。