【新型コロナ】病床、政府「3割増」 神奈川・黒岩知事「突然出てきた。真意確かめて対応」

黒岩祐治知事(資料写真)

 神奈川県の黒岩祐治知事は11日の定例会見で、政府が新たな新型コロナウイルス対応として今夏のピーク時と比べ病床を3割増とする体制を今月末までに整備する方針を示したことについて、「2割増で対応してきたが、3割というのは突然出てきた話。(政府に)真意を確認してからどう対応するか考えたい」と語った。

 「第6波」に備え、国は10月に入院患者の受け入れ態勢を今夏のピーク時より2割増やすよう都道府県に求めていた。これを受け、県は今月5日に最大確保病床を拡大する計画整備を公表。6段階フェーズ(0~5)の「5(一般医療の制限を伴う)」を最大2300床から約2500床まで拡充するとしていた。

 知事は新たな政府方針に「言われたから、はいどうぞという形にはいかない」と困惑。「急にまた増やすことは特に必要とは思わないが、国と調整したい」と話した。

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が8日に策定した5段階の新指標については「ワクチン接種や中和抗体療法が進んできている状況から見て、妥当なものではないか」と述べた。新指標は緊急事態宣言の発令や対策を強化する際の目安になる。国から正式な通知が届き次第、県も感染状況を判断するモニタリング指標の見直しなど対応を検討するという。

 一方、県内の直近の感染状況は「前週と同じ曜日と比べて少し増えているが、数字としては少ない。まだ増加傾向というほどではない」との見解を示した。

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