【パCS】ラオウ杉本が3年後に納得した西武・山川の言葉「慣れたら打てるようになるよ」

先制2ランを放った杉本は吉田正とラオウポーズを決めた(東スポWeb)

パ・リーグのCSファイナルステージ第2戦(11日、京セラ)は、レギュラーシーズン1位のオリックスが同2位のロッテに2―0で快勝。アドバンテージを含め3勝0敗として日本シリーズ進出に王手をかけた。

6回一死、吉田正が美馬の右太ももを強襲する内野安打で出塁すると、4番・杉本裕太郎外野手が2番手の東妻の初球スライダーを左翼席中段の壁に直撃させる決勝2ラン。吉田正とともにラオウポーズを決め、ベンチはお祭り騒ぎとなった。

3安打2打点の杉本は「昨日(10日)何もできなかったんで今日は絶対に打ってやろうと思って打席に入った」としてやったり。中嶋監督も「昨日は、力が入っていたけどすぐ修正した。大きいホームランで、何とかやっていけると思った」と大仕事をやってのけたラオウをほめた。

30歳を迎えた6年目の今季、32本塁打でタイトルを獲得するなどチームの優勝に貢献した遅咲きの大砲だが、これまで二軍暮らしが長く、いつ戦力外通告を受けてもおかしくない状態だった。それが3年前に一軍昇格した際、西武戦で出塁し、山川と言葉を交わすようになった。「どうやったら打てるようになるん?」と聞くと山川は「俺らみたいな長距離砲は打てるまで時間がかかる。慣れたら打てるようになるよ」と言われたという。

打てなかったらまた二軍に落とされる…。気持ちに余裕がなかった杉本は山川の言葉が「ホンマかいな」と思ったが、月日が流れ、結果を出せるようになった。今夏の球宴で顔を合わせた際、山川から「そら、やっぱり打てるようになったでしょ」。本塁打王の〝先輩〟の言葉通りになり、杉本は「一軍の投手の球を見慣れてきたし、本当に時間がかかった」と納得した。山川もラオウの素質を見抜いていたのかもしれないが、それ以上にラオウが努力を重ねてきたのは言うまでもない。

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