【動画】角田裕毅とガスリーが語るそれぞれの“ロールモデル”

 毎回1つのテーマをドライバーたちが掘り下げるアルファタウリの『ビハインド・ザ・バイザー』シリーズ。今回は『ロールモデル』というテーマに沿って、角田裕毅とピエール・ガスリーのふたりがお手本やヒーローとなっているドライバーについて語った。

 影響を受けた人物として真っ先にアントワーヌ・ユベールの名前を挙げた角田裕毅。「本当に印象的なドライバーで、彼のドライビングスタイルにも影響を受けた」と、彼に対する思いを語った。

 FIA-F2のレース中に発生した事故により、2019年に22歳という若さでその生涯を終えたユベール。GP3(現FIA-F3)でチャンピオンを獲得し、F2でもルーキーながら2勝を挙げていた彼は、将来を嘱望されるドライバーのひとりだった。彼より少し年下だった角田にとって、その姿はまさに『ロールモデル』だったのだろう。2020年のアントワーヌ・ユベール・アワード(F2最優秀新人賞)受賞者としてその意志を引き継いだ角田は今年のベルギーGPにおいて、ユベールを偲ぶスペシャルカラーのヘルメットで彼が眠るスパ・フランコルシャンを走った。

 角田のチームメイト、ピエール・ガスリーにとって憧れのドライバーはたくさんいる。アイルトン・セナと、そのライバルで唯一のフランス人F1チャンピオンでもある同郷の先輩アラン・プロスト。そして何よりも、彼が幼い頃から目にしてきたミハエル・シューマッハーとルイス・ハミルトンには大きな影響を受けたという。

「ルイスがF1に参戦したとき僕はまだ10歳で、F1とは程遠いカートをやっていたけど、彼のスタイルが大好きだった。コース上でとてもアグレッシブで、限界までプッシュするんだ。彼のレースに対する姿勢に憧れた」

 一方で角田は「ヒーローと呼べるドライバーはいない」と語る。それもそのはずで、角田が幼い頃からから目にしてきたフェルナンド・アロンソやルイス・ハミルトン、そしてキミ・ライコネンやセバスチャン・ベッテルといったトップドライバーたちはいずれもまだ現役。角田にとって彼らはヒーローというよりもライバルといったほうが近いだろう。

 しかしそんな角田でも、現在自分がハミルトンやアロンソとレースを繰り広げていることにはやはり感慨を覚えるようだ。動画の最後で彼は少し嬉しそうにこう語った。

「ルイス・ハミルトンとフェルナンド・アロンソと一緒に走っていることにはとても興奮する」

「僕が7歳のとき、富士スピードウェイでアロンソとハミルトンの走りを見たんだ。F1で彼らと一緒に走っているのがまだ信じられないよ」

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