雲仙温泉街の新名所「極楽公園」 地獄の愛称「いぶき地獄」に 復興へ弾み

「極楽公園」から見渡せる「いぶき地獄」(手前中央)

 長崎県雲仙市などは11日、雲仙市の雲仙温泉街に再整備した展望公園の名称を「極楽公園」と発表した。近くに昨年冬出現した地獄の愛称は「いぶき地獄」と決定。二つの新しい観光名所は、8月の大雨土砂災害からの復興の弾みになると期待されている。
 極楽公園(約1700平方メートル)は、環境省が街の高台にあった児童公園に休憩所を設け、モミジを植樹。先月中旬から供用されている。一方、いぶき地獄(約450平方メートル)は「清七地獄」の駐車場だった場所が陥没して噴気が上がり、昨年12月に舗装をはがすと、熱水と蒸気が噴き出していた。
 極楽公園からは、国道を挟んで、いぶき地獄を見渡すことができる。
 まとめて新名所としてPRしようと、市観光戦略策定委員会が5~6月に名称・愛称を公募した。極楽公園は、東京都の峰木一典さんら10人から出たアイデアで、選定委(加藤隆太委員長)が718件の応募の中から選んだ。地獄と対称的なネーミングがインパクト十分で覚えやすいと評価された。いぶき地獄の命名者は神奈川県の田苗宙さんで、987件の中から選定。新しい生命の誕生と大地の力が感じられる愛称という。
 11日、公園の開園式で発表された。市や県、環境省、地元関係者ら約30人が出席。雲仙温泉観光協会の宮崎高一会長は「災害からの復興へ、国県市と地元でスピード感を持って取り組んでいる。二つのスポットが新しい雲仙温泉の魅力になることを願っている」と述べた。

新名所の名称と愛称を披露する加藤委員長(右手前)=雲仙市小浜町雲仙、極楽公園

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