高知大学、静岡理工科大学、宮崎大学の蛇籠技術研究がSDGsアワード優秀賞を受賞

高知大学教育研究部自然科学系の原忠教授、静岡理工科大学土木工学科設置準備室の中澤博志教授、宮崎大学工学部の末次大輔教授らの研究チームが進めている蛇籠(じゃかご)技術の研究および普及の取り組みが、科学技術振興機構のSTI for SDGsアワードで優秀賞を受賞した。

同チームが研究・普及に取り組む蛇籠技術は、鉄筋籠に石を中詰めした構造体を積み上げ、道路の擁壁などさまざまな土木工事で使用する工法。伝統的な土木技術で、最新の手法ではないが、安価で材料を調達できるうえ、施工にそれほど高い技術力を必要としないことから、防災インフラの整備が遅れている途上国への普及が期待されている。

同チームは蛇籠の耐震性を定量的に分析し、科学的知見で解明するとともに、耐震性を高める資材の選定や設計・施工法の特定を進め、国内だけでなく海外への普及に尽力した。

STI for SDGsアワードは科学技術イノベーション(Science, Technology and Innovation:STI)を用いて社会課題を解決する優れた取り組みに贈る賞で、科学技術振興機構が2019年度に創設した。同チームの受賞は水害など大規模災害が増加する中、蛇籠技術の持続可能性が高く、住民参加で施工できる点などが高く評価された。

参考:

【静岡理工科大学】JST主催「STI for SDGsアワード」で優秀賞を受賞しました

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