江の島に歴史文化体験施設、13日から一般開放 「東洋一の温室遺構」生かし改修

温室遺構の上に建てられた全面ガラス張りの歴史体験施設=江の島サムエル・コッキング苑

 江の島サムエル・コッキング苑(神奈川県藤沢市江の島)に残る近代文化遺産を生かした歴史文化体験施設が完成し、13日から一般開放する。2003年の開業以来初の大規模改修事業の第1弾で、今後、22年度にかけて、自然を生かした遊具や交流・体験施設なども整備。ウィズコロナ、アフターコロナ時代を見据え、江の島観光再活性化の起爆剤に位置付ける。

 遺構は英国人貿易商サムエル・コッキングが1882(明治15)年に造成した植物園で使用されたスチーム式の植栽温室で、当時は東洋一の規模と言われた。れんが造りのものとしては現存する唯一の温室遺構となる。

 新施設は植栽温室をイメージした全面ガラス張りの鉄筋平屋建てで、遺構の基礎部分の上に設置。高さ約4.8メートル、延べ床面積約60平方メートル。晴れた日には室内の植物に陽光が降り注ぎ、床も強化ガラスで地下の貯水槽などが間近に見られるように演出。周辺の遺構に通り抜ける通路も設けた。コッキングの功績をパネルや映像で紹介するほか、当時の時代背景や江の島の様子も取り上げている。

 同園の入館料は大人200円、子ども100円。詳細は公式ホームページ。

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