オリックスが〝サヨナラ〟ドローで25年ぶり日本シリーズ進出 中嶋監督「頑張ってきます!」

オリックス・中嶋監督はお立ち台で拳を突き上げた(東スポWeb)

オリックスが12日のロッテとのCSファイナルステージ第3戦(京セラ)を3―3と〝サヨナラ〟ドローに持ち込み、25年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。

2―3で迎えた土壇場の9回、無死一、二塁から小田が右翼線に弾き返し、T―岡田が生還して劇的な幕切れ。ナインがグラウンドに飛び跳ね、京セラが歓喜に包まれた。

大歓声の前に立った中嶋監督は「しんどかったです」と第一声。「選手を信じ、つながることを頭に入れて最高の結果になった。みなさんが持っている『全員で勝つ』というタオルのごとく、それができた。絶対にあきらめない形がすごくできた」と声を詰まらせた。

日本シリーズの相手が現役時代の1995年の日本シリーズで涙を飲んだヤクルトに決まり「負けてますので何とかやり返したい。頑張ってきます。スタートがここ(京セラ)ですので、まずここで勝って。帰ってこれないようにしたいけど…神戸で決めたい気持ちもある」と胸の内を明かした。

この日は打線が相手先発の岩下に苦しむ中、宗が流れを変えた。0―1で迎えた6回、一死一塁から岩下のフォークを右翼席に高々と運ぶ逆転2ランを放ち「最高の結果になってくれてめちゃくちゃうれしい」とナインと抱き合って喜んだ。

先発の山崎颯は3回に一死二、三塁から中村奨の左犠飛で先制を許すと中嶋監督はすぐさま継投策にスイッチし、総力戦で追加点を防いだ。しかし、7回に吉田凌が代打・佐藤に同点打を浴び、さらに8回には6人目のヒギンスが中村奨に左翼席に痛恨の勝ち越し本塁打を許してしまう。

引き分けでも勝ち抜けが決まる。そんなナインの執念が9回にT―岡田、安達、そして小田のバットに乗り移り、劇的なドロー劇を演じた。

「優勝しました。そして日本シリーズも決めました。あとはその先まで行きたい!」とめずらしく感情をあらわにした指揮官。2年連続最下位から大番狂わせを演じたオリックスが、ついに最終ステージに立つ。

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