【セCS】お疲れ亀ちゃん! 巨人・亀井の最後は「僕らしいっちゃ僕らしい」

巨人・亀井は静かに球場を後にした(東スポWeb)

今季限りでの現役引退を表明している巨人の亀井善行外野手(39)がクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦・ヤクルト戦(12日、神宮)を終え、現役生活に幕を閉じた。

負ければ終戦という崖っぷちに立たされたチーム状況の中で、原監督は亀井を「2番・左翼」で先発起用。ベテランの意地に託した格好となったが、その思いに応えた。

両チーム無得点で迎えた3回、吉川が四球で出塁すると、亀井は金久保から「僕らしいっちゃ、僕らしいヒット」とライトへの安打を放ち、一死一、三塁とチャンスメーク。続いて坂本がセンターへの犠飛を放ち、貴重な先制点を獲得した。結果的に試合は2―2の引き分けに終わりCS敗退となったが、最後まで輝きを放った亀井だった。

悔しさを残しながらも、意地は見せることができた。亀井は「最後までこうやって一軍に居れたこと、本当に監督、コーチに感謝していますし。何とか安打も打てたし、結果的には残念でしたけど、まあ満足いく終わり方だったかなと思います」と晴れやかな表情。

これまで「困った時のカメちゃん頼み」と信頼を寄せていた指揮官も「かなり満身創痍の中で今年も戦ってくれてね。今日が最後になるとは思わなかったけどね。いいヒットも打ったし、長い間ご苦労様でしたと言うことですね」と労った。

この悔しさは後輩たちへ託す。試合後には目に涙を浮かべながら後輩・坂本の肩を優しく叩いていた亀井。「この悔しい気持ちをね、このオフどうやってつなげていくかだと思うし。もう中堅クラス(の選手)が多いですし、そこら辺が自覚を持って、チームの為にという思いでどうやって練習していくのかなと思いますけどね」と、金言も残した。

最後は「楽しくはなかったですね(笑い)。苦しかったですけど、(ここまでできたのは)ファンの皆さんの後押しがあったからだと思いますね」と、本音も交えながらファンへの感謝も口に…。ナインにもファンにも愛された「亀ちゃん」が、現役生活に終止符を打った。

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