児童トラブル暴力団介入 大和市教育長「対応適切」に矛盾か 市教委報告書、学校側対応の問題点に言及

開示された大和市教委の行政文書。大半が黒塗り

 昨年、神奈川県大和市北部の市立小学校で保護者の暴力団関係者が児童間のトラブルを巡って関係する保護者に土下座を強要する事件が起きた問題で、市教育委員会が県教育委員会に行った報告に「複数の保護者に寄り添った対応が不足していた」などと学校側の対応に問題点が複数あったと言及していたことが12日、分かった。柿本隆夫教育長は市議会9月定例会で「対応は適切」と答弁しており、保護者らからは「これだけの問題点がありながら適切と言えるのか」と疑問の声が上がっている。

 神奈川新聞社が、関係者の聞き取り調査や対応の検証結果、県教委への報告について情報公開請求を行い、市が開示した。「業務の円滑な実施に支障」「個人情報の特定」などの理由で大半が黒塗りの不開示扱いだった。

 一方、県教委に報告したとされる文書には「校長以下職員数人で対応してきたことは、あまり良い効果を生んでいないばかりか、問題を見えにくいものにしてしまった」「トラブルが大きくなる前に間に入っての調整が必要だったのではないか」「何より市教委への報告が遅すぎる」など5項目の記述があり、校長への指導理由としている。

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