韓国紙「台湾人の日本愛、韓国人に理解難しいのはなぜ?」「植民地清算の相違が最大要因か」

アジュ経済紙は、ノ・ダニエル=アジアリスクモニター代表の『台湾人の日本愛』を掲載した。台湾と日本の特殊な関係について触れ、日韓関係との違いについて分析している。

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ノ代表は「国際政治学では、国家は《合理的行動者》と規定している。国家は、国益のために利用可能なすべての知性と情報を動員して最も合理的に行動するということだ」とし、「この言葉は原論的に正しい」としつつ、「しかし、国家の行動、特に国家間の関係には、合理性だけで説明するのが難しい感情がある」と指摘した。

日本と台湾の関係がそうであるとノ代表は挙げ、「日本と台湾の関係には韓国人が理解しにくいほど親近感がある」としつつ、比較対象として韓国とベトナムの関係を挙げる。ノ代表は「韓国軍がベトナムに派兵され、現地人と戦闘を繰り広げた歴史があるにもかかわらず、両国は、今はまるで《姻族関係》という言葉があるほど良い感情を見せている」と説明した。

ノ代表は、日本人の67%、台湾人の65%が互いに親近感を持っているとの日本外務省調べを挙げ、「特に台湾人の日本に対する親近感が目立つ」とし、2019年に日本を訪問した台湾人が489万人となり、韓国人は560万人だったが、「人口比例で見ると韓国人の11%、そして台湾人の21%が日本を訪問した」と伝えている。

ノ代表は、1874年の台湾出兵日本が勝利し、1895年から1945年まで統治した経緯を説明しながら「したがって日本との関係において、台湾は朝鮮と同様の立場にあったのだ」とし、「日本式近代制度が移植されたのもほぼ同じだ」「創氏改名、行政制度、金融制度などが共通して実施された」と説明する。

一方でノ代表は、「ここで注目するのは、同じ植民統治を受けた韓国人と台湾人の意識が非常に異なるということだ」とし、台湾人による日本語著書『台湾人と日本精神』(蔡焜燦/2000)を紐解きながら、「台湾は日本の植民地ではなく《内地(日本)》の延長だった」「植民地という言葉は前後に作られたもの」「戦争前の日本の教育レベルは非常に高く、教師たちは情熱と愛情を持って台湾に教育を普及させた」「台湾では、今でも《日本精神》は《勤勉で正直で約束を守ること》を意味する」「中華民国(台湾)が政権を取った後、台湾社会は急速に腐敗した」などの記述を引用した。

ノ代表は、同じく植民地統治を経験した韓国とはなぜ日本に対する態度が違うのかについて、「最も大きな要因としては植民統治の清算過程の相違を挙げることができる」と指摘した。韓国の場合は1951年から1965年までの14年という長い期間の交渉を通じてやっと国交正常化条約が結ばれたが「これは禍根を残した不完全な条約だった」「独島、従軍慰安婦、徴用工問題など現在、韓日関係の深刻な懸案として残った問題が整理できなかったのだ。その原因の一つは、日本政権と韓国の李承晩政権の不和に見つけることができる」とノ代表は指摘した。

一方で「台湾を支配するようになった国民党政府は日本に対する拒否感があまりなかった」とし、その要因の一つに台湾先住民による日本への好感があったことを挙げ、1952年に日華平和条約が結ばれ国交を正常化し、蒋介石総統が「徳で恨みを返す」(以徳報怨)という言葉とともに日本の植民統治に対する請求権を放棄したことをノ代表は取り上げた。その上で「これは現在も1965年の条約が不完全だと見て日本に対する個人の請求権行使を追求する韓国と非常に対照的な風景だ」と分析している。

筆者はまた、李登輝元総統についても取り上げ、「今の日台湾関係の土台を確立した」とし、日本の統治時代について「日本が残したものが多い。批判だけで科学的な観点から評価をすれば歴史を理解できない」と述べたことなどを伝えている。

一方で筆者は、台湾が1971年までは国際連合の常任理事国だったことにも触れ、「1945年から1971年までの25年という長い歳月の中で、敗戦国である日本は国連の常任理事国ではなかったが、台湾は常任理事国の位置にあった」とし、当時の台湾が国際的な地位を有していたことや、日本側が関係を良好にするモチベーションがあったことを示唆しつつ、日中国交正常化による日台国交断裂後も親善協会を通じて太いパイプを維持していることを説明している。

その上でノ代表は「《日本と台湾はほぼ一つの国として通じる仲》であることを知る韓国人は多くない」と伝えている。

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