中日・根尾が契約更改 理想像は森野コーチ「勝負強い ああいうバッターになりたい」

契約更改に臨んだ中日・根尾(東スポWeb)

中日・根尾昂内野手(21)が13日、ナゴヤ球場で契約更改交渉に臨み、200万円増の年俸1300万円でサインした。

3年目の今季は初めて開幕スタメン入り。前半戦は一軍にフルで帯同した。5月4日のDeNA戦(バンテリン)ではプロ初本塁打をグランドスラムで飾り、大器の片りんを見せたが、成績不振から前半戦終了時に二軍落ち。シーズン終盤まで一軍昇格を果たせず、プロ最多の72試合に出場したものの、打率1割7分8厘、1本塁打、16打点に終わった。

30安打、12得点、4二塁打ともども全てキャリアハイだったが、もちろん納得していない。「内野でレギュラーを取ると言ってスタートした1年だったが、内野で取れず、外野でも取れず、悔しいシーズンだった。1年目、2年目よりも収穫はあったが、打率も全然2割ないし、走れてもいない。打撃でのふがいなさをすごく感じた」

ここまで遊撃一本で勝負することにこだわってきたが、そうも言っていられなくなった。「京田さんがここまでドラゴンズで築いてこられた信頼や実績を考えると、今すぐ抜くというのは不可能だと思う。しっかり試合に出て、打って、守って、そこからだと思う。今、僕自身が課しているもの、チームから一番求められているものは打撃」。今後はどのポジションだろうが、打撃で首脳陣にアピールする考えだ。

理想像は現役時代に〝ミスター3ラン〟と呼ばれるほど勝負強さが際立った森野打撃コーチだと言う。「森野さんは、しっかりコンタクトできて、チャンスも強いし、長打も打てる。ナゴヤドーム(現バンテリンドーム)でも簡単に本塁打を20本、打率2割8分ぐらい打つ。勝負強さは僕が子供のころからずっと見ていた。優勝争いに絡んでいるところで簡単に犠牲フライを打ったり、すごく印象に残っている。安打やタイムリーを打つだけが野球ではないと思う。本塁打をパコパコ打つタイプというよりも、強いライナーを飛ばしていくイメージなので。自分の中では一つの目標で、ああいうバッターになりたい」

知名度や周囲の期待値は依然として高い。しかし、いつまでものんびりしてはいられない。根尾は4年目の来季へ向けて「とにかく来年は必ず開幕から最終戦までずっと一軍で試合に出続けて結果を出したい。チームにいい影響を与えられるように、どんどん元気を出して若手らしくやっていきたい」と力を込めた。
(金額は推定)

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