スーパー耐久、全7戦の2022年カレンダーを発表。さまざまなエントラント向け、ファン向け施策を実施

 11月13日、スーパー耐久機構(S.T.O)は、岡山県の岡山国際サーキットで開催されているスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第6戦『スーパー耐久レースin岡山』のなかで、エントラント向けに2022年のスーパー耐久カレンダーを発表した。2022年は1戦増え全7戦のカレンダーが設定され、クラスによって参加しない大会を設けることで、ピット不足等の問題を解消。よりエントラントに参加してもらうためのさまざまなプランを検討している。

 近年、多くのエントラント、ファンを集め盛況のスーパー耐久。2021年までは全6戦が開催されてきたが、2022年は新たな施策を狙ったカレンダーを発表した。シリーズは鈴鹿大会が1戦増え、全7戦となる。

 ただし、この1戦増は限られたピット数のなかで、より多くのエントラントに参加してもらうためにさまざまなプランを検討してもらうことも兼ねており、鈴鹿サーキットでの第1戦、第7戦、第2戦に予定されている富士24時間は全クラスが参加となり、その他のレースでは、クラスによって参加しない大会を作ることで、ピット不足等を解消していくことを狙う。

 そしてスーパー耐久では「時代は変わっても『楽しい気持ち』をいつまでも、クルマといっしょに」をテーマに、未来のモータースポーツの姿を追い求めていく。「カーボンニュートラルなモビリティ社会が形作られていくなかで、私たちは未来のモータースポーツの姿を追い求めていきます。これからの地球や子供たちのためにも、モータースポーツができることを一歩一歩、着実に進めていきたいと考えています」とスーパー耐久は将来像に向けてのビジョンを示している。

 またスーパー耐久では、大きな注目を集めるSDGs(持続可能な開発目標)を掲げサステナブルなモータースポーツの実現を目指していく。2021年から導入されたST-Qクラスには、ROOKIE Racingが水素エンジンを積むトヨタ・カローラ・スポーツ『ORC ROOKIE Corolla H2 concept』を投入し大きな話題となったほか、第6戦岡山からはMAZDA SPIRIT RACINGがバイオディーゼル燃料を使用したデミオを投入するなど、今後もスーパー耐久ではエネルギーの実証実験の場として提供していくことが、社会的役割だとする。

 さらにスーパー耐久としても「タイヤ摩耗による粉塵を減らしていく」、「使用済みタイヤをサステナブルに管理していく」などの課題に向け、タイヤメーカーやチームと検討を重ねて、レースにおける使用タイヤ本数を減らしていけるような取り組みにも着手していくことが目標だという。

 また、すでに第5戦鈴鹿では、ゴミを最小限に資源の分別を確実にするために、チームの協力を得て、パドック内のゴミ分別活動に取り組んだ。特に問題視されているプラスチックを含む廃棄物の発生を抑え、再利用を促す活動等を検討していくとしている。

 一方、ファンやエントラント向けの施策も続けていく。近年、スーパー耐久では参加型モータースポーツでありながら、コロナ禍以前までは観客数も増加。また、完走率も上がり、ウエットだったにもかかわらず2021年第1戦もてぎでは、完走率100%を達成した。

 近年続けてきた『S耐メディアプロジェクト』が実を結び、YouTubeLIVE『S耐TV』も毎戦10万を超える再生回数を誇る。2022年はこの動きを加速し、さらにオンラインコミュニティを充実させ、モータースポーツの新しい楽しみ方を提案。リアルタイム新スポーツ観戦アプリの導入や、未来に向け共通意識をもつ企業やチームとともに、VR等を活用した実証実験の実施も目指していくとしている。

 S.T.Oの桑山晴美事務局長は「現代では、スマートフォン等の普及や趣味の多様化により、『いつでもどこでも自分の好きな時に無料で視聴を楽しめること』が大事と考えています。しかしながらサーキットに来なければ体感できない魅力もあります。ファンと一体化できるコンテンツや、デジタルからリアルな現地につながる道筋を作れるような施策も考えていきたいと思います」と語る。

 さらに桑山事務局長は、モータースポーツにおける女性が活躍できる環境作りにも取り組みたいと語っている。

「さまざまなレースの現場には、マネージャー業やレースクイーン、MC、少数ながらドライバーやメカニックの女性たちが働いています。女性の皆様が能力を十分に発揮し活躍できる環境整備にも努め、女性が尊重される現場づくりも目指していきたいと考えています」と桑山事務局長。

「また子どもたちがレースや車を間近に見る機会だけでなく、プロモーション活動等を通じた社会体験の場を提供させていただき、子ども時代の体験がご成長段階や未来に少しでも生かされることを願います」

2022年スーパー耐久シリーズ スケジュール

Round Circuit Date Distance

TEST 富士スピードウェイ 2月23日 ※夜間走行あり

1 鈴鹿サーキット 3月19〜20日 5時間

TEST 富士スピードウェイ 5月平日にて調整中 ※夜間走行あり

2 富士スピードウェイ 6月3〜5日 24時間

3 スポーツランドSUGO 7月9〜10日 3時間×2レース

4 オートポリス 7月30〜31日 5時間

5 モビリティリゾートもてぎ 9月3〜4日 5時間

6 岡山国際サーキット 10月15〜16日 3時間×2レース

7 鈴鹿サーキット 11月26〜27日 5時間

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