MotoGP第18戦バレンシアGP:ルーキーのマルティンが今季4度目のポール獲得。ロッシはラストレースで10番グリッドに並ぶ

 11月13日、MotoGP第18戦バレンシアGPの予選がスペインのリカルド・トルモ・サーキットで行われ、MotoGPクラスはルーキーのホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)が2021年シーズン4度目となるポールポジションを獲得した。

 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は9番手。バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は10番手で、4列目から最後の決勝レースを迎える。

 フリー走行3回目は気温15度、路面温度14度のドライコンディション。開始10分にアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)トップタイムをマークする。アレイシ・エスパルガロはその後もさらにタイムを更新してトップをキープ。

 残り時間13分、13コーナーでポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)がハイサイドを喫して転倒する。ポル・エスパルガロはメディカルセンターに向かい、その後、さらなる検査のために病院へ向かった。

 セッション終盤にはジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)やジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップに浮上するも、アレイシ・エスパルガロが残り時間2分を切って、再びそれらのタイムを上回る。最終的にアレイシ・エスパルガロがトップでフリー走行3回目を終えた。

 2番手はミラー、3番手はフランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)で、4番手はフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)、5番手はホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)だった。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は7番手。新チャンピオン、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は9番手。バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は10番手で予選Q2へのダイレクト進出を決めている。

 フリー走行4回目では、中上がトップタイム。クアルタラロが2番手、3番手がアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、4番手がバニャイア、5番手がモルビデリだった。フリー走行3回目で転倒したポル・エスパルガロは出走しなかった。

## ■予選はマルティンが今季4度目のポール獲得

 予選Q1は気温20度、路面温度24度でスタート。リンス、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)、KTMの4人のライダーなどがQ1から予選に臨んだ。また、ポル・エスパルガロは予選もキャンセルしている。

 序盤はリンスがトップタイムを連発。2番手にはブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)が続く。ビンダーは残り2分で自己ベストを更新。しかしリンスのトップタイムには届かない。リンスは最後のアタックラップで自己ベストを更新し、トップを堅守。ビンダーもさらに自己ベストを更新したが、2番手で、このふたりがQ1突破を決めた。3番手はアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ペトロナス・ヤマハSRT)で、復帰後自己ベストグリッドとなる13番手を獲得している。

 続いて行われたQ2では、まずミラーが1分30秒479を叩き出してトップに立った。ミラーはさらにタイムを縮め、トップをキープ。ミルやバニャイアがタイムを詰めるも、ミラーのタイムには届かない。さらにマルティンがミラーのトップタイムと同タイムとなる、1分30秒325を記録。前半のアタックを終えてトップがミラー、2番手がマルティン、3番手がバニャイアと、ドゥカティライダーがトップ3を独占する状況だ。ロッシはトップから0.948秒差の11番手につけている。

 残り時間3分、バニャイアがミラーのタイムを更新してトップに浮上。バニャイアはその翌周にもタイムを縮めた。しかしその直後、残り時間が2分になったところで2コーナーで転倒を喫してしまう。

 転倒したバニャイアのタイムを更新したのがマルティンだった。マルティンはただひとり1分30秒を切り、1分29秒936を叩き出してトップに浮上。最後のアタックでタイムを縮めたマルティンが、今季4度目のポールポジションを獲得した。

 2番手はバニャイア、3番手はミラー。ミラーは最後のアタックラップ中に自己ベスト更新のペースを刻んでいたが、11コーナーで転倒を喫して3番手だった。3人のドゥカティライダーがフロントロウを獲得している。

 4番手はミル、5番手はヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)で、6番手はリンス。2列目までにドゥカティライダー4人、スズキライダーふたりが並んだ。

 バレンシアGPで苦戦を強いられているクアルタラロは、ポールポジション争いに加わることなく8番手。フリー走行4回目でトップタイムを記録した中上は9番手だった。ロッシは10番グリッドを獲得し、4列目から最後のMotoGPのレースに挑む。

© 株式会社三栄