すごろくで江戸時代の旅を紹介 交通の要衝だった神奈川・大和を知る 渡辺崋山の下鶴間宿での記録も

職員が手作りした旅の道程を紹介するすごろくなどを展示=大和市つる舞の里歴史資料館

 大和市つる舞の里歴史資料館(同市つきみ野7丁目)で地元に関連する江戸時代の旅にまつわるエピソードを紹介する企画展「市域と江戸時代の旅」が開かれている。12月5日まで入館無料。

 幕末の第2次長州征伐に従軍した下草柳村の領主・宅間氏の家臣、田辺源之助が記録した「道中日記帳」などが写真パネルで展示されている。

 一行が1865年5月16日に江戸を出発し、大阪に到着するまでの42日間の道程を、同館職員が今回手作りしたすごろくで紹介。増水した天竜川で足止めされて田辺自身も約2キロ流されたり、宿が満杯で泊まれなくなったりと、難渋した旅の様子が興味深く描かれている。

 また、洋学者や思想家として著名だった渡辺崋山が相模国を旅して下鶴間村に立ち寄った「游相日記」もスライドで紹介。江戸から矢倉沢往還(大山道)を進み、村内で宿泊した「まんじゅう屋」のもてなしが絵と一緒に記録されている。

 同館は「大和は昔から街道が多い交通の要衝だった。古道歩きを楽しむ市民からの問い合わせもあり、企画展のテーマにした」と話している。すごろくは来館者に無料配布している。

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