アニメ映画『サマーゴースト』舞台挨拶、川栄李奈は異例の収録スタイルにドッキリを疑った

アニメーション映画『サマーゴースト』の公開記念舞台挨拶が11月14日に都内映画館で行われ、声優を務めた小林千晃、島袋美由利、島﨑信長、川栄李奈、そしてこれがアニメーション映画初監督作となるloundraw監督が参加した。

アニメーション監督デビューのloundraw監督は「生きていることに疑問を持っている子たちが幽霊に出会ってひと夏の経験をするお話。映画を観てくれた方々が一歩前進するきっかけになればと思って作りました。四人のキャラクターの心の動きを意識して、誰もが共感できる物語を目指しました」と解説。

杉崎友也役の小林は「絵も最初から最後まで美しくて、スクリーン映えする作品。40分とは思えない濃密な時間のある作品です」と太鼓判。春川あおい役の島袋は、島﨑演じる涼からのセリフを印象的だと明かし「寄り添ってくれる言葉。心にスッと入ってくる優しい言葉でした」と思い入れたっぷり。

小林涼役の島﨑は「この作品はドラマチック過ぎないのがいい。キャラクターそれぞれはアニメの登場人物ではあるけれど、ちゃんと作品世界の中で生きている。生きているからこそ細かい所作や感情が随所に感じられる」と人間ドラマとしての魅力を熱弁。自身のセリフ『ガキみたいなことしてんじゃねえぞ』の『ぞ』が好きだといい「何を言おうかあらかじめ決めていたからこそ、逆に芝居がかっているセリフ。生っぽい中にその『ぞ』が入ったことで生まれる違和感も、生きているからこその生っぽさを感じることができて好き」と声優ならではの目線で細部のこだわりを明かした。

ゴースト役の川栄は「めっちゃいい声だな、と聞きいってしまいました。今日直接お話をして『はい』と返事されたときも声が良すぎて二度見しました。それだけ素敵」と小林の声に惚れ惚れ。loundraw監督のこだわりでアフレコ収録は座りながら行われたそうで、異例の収録スタイルに川栄は「騙されているのかと思いました」とドッキリを疑っていた。

映画の内容にちなんで「忘れられない夏の思い出」を聞かれた川栄は「小さい頃から花火大会には家族や友人と行っていたので思い出深い。とくに私は線香花火が好きで、小さい頃は両親と冬でもやっていました」と夏の風物詩に思い入れあり。島﨑は「この作品との出会いです!」と満面の笑み。島袋は「小さい頃に線香花火を足の上に落としたときの熱さは忘れられません。劇中で友也君が線香花火を目の前にかざすシーンでは『凄いチャレンジャーだな!』と思った」とトラウマを明かして笑わせた。

小林も花火の痛みが忘れられない思い出としてあるようで「中学時代に友達数人で花火をしたときにやけどをした。その時に一人だけ心配してくれた友達がいて、その友人とは高校に行ってもずっと仲が良かった。ふとした時に訪れる大事な瞬間ってあるんだなと思わされました」と学生時代のエピソードをしみじみと振り返っていた。

最後に主演の小林は「この作品は出会いが一つのテーマになっています。観客の皆さんにもこの作品を通して感じたことを持ち帰っていただき、この作品をきっかけに人生の変化が起きるようなことがあったら嬉しい。それくらいパワーのある作品です」とアピール。loundraw監督も「初めてアニメーションを作るにあたり、なぜ自分はこの仕事をしているのか?という思いも込めました。死にまつわる話ではあるけれど、生のお話でもある。一歩踏み出した次にどうするのか?というメッセージも込めているので、自分自身もこれから前に進んでいきたいと思っています」とさらなる飛躍を誓っていた。

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