巨人・亀井の「背番号9」の行方 松原継承には「早過ぎる」と慎重論

亀井の「背番号9」継承者は誰か…(東スポWeb)

巨人がヤクルトとのCSファイナルステージで1勝もできずに敗退し、屈辱の1年を終えた。今季は終盤の大失速で3位を死守しながらも、勝率5割をキープできず。今後は来季の巻き返しへ向け、補強や組閣が進んでいくことになるが、注目を集めているのが、一軍外野守備走塁コーチに内定している亀井善行外野手(39)の「背番号9」の行方だという。

10月23日に東京ドームで行われた引退セレモニーで亀井は松原、吉川、坂本ら後輩にメッセージを残した。育成出身としてチームで初めて規定打席に到達した松原には「あんたは天才なんだから。もうちょっとだけ、頭使っていけよ」とマイクで訴えた。

「31」を背負った松原は今季、主に「1番・右翼」として135試合に出場。打率2割7分4厘、12本塁打、15盗塁をマークした。ポジションやタイプ的にも「9」の後継者筆頭と考えられる。

ところが話はそう簡単ではない。「松原は今年、初めて規定打席に達したものの、1桁番号にはまだ早過ぎる。チームの精神的支柱だった亀井の番号がプレッシャーになる恐れがある」(球団関係者)。亀井が2009年から13年間背負い続けた「9」継承に、慎重論が出ているという。

ここ数年、巨人ではチームに長年貢献した日本人選手の背番号が一度、外国人選手で〝リセット〟されている。高橋由伸前監督が監督時代も合わせ21年間背負い続けた「24」は、19年に助っ人右腕クックへ。間を空けて20年から捕手・大城が継承している。

また阿部慎之助一軍作戦コーチが20年間背負った「10」は1年間空き番号となり今季、助っ人スモークが引き継いだ。6月のスモークの途中退団後、8月に日本ハムから移籍した中田の背中に収まった。

3年目左腕・高橋の背番号が「12」「26」「47」とすでに3回変わったように、第3次原政権では若手の背番号シャッフルは、もはやオフの風物詩となっている。

だが巨人の1桁背番号は「1」「3」「4」の永久欠番があるため、その価値は高い。長野(現広島)が9年間背負った「7」がここ3年、空き番号となっているように慎重に後継者を選んでいる。

果たして「背番号9」は新助っ人の背中に収まるのか、それとも亀井コーチ自ら指名する〝亀の声〟で直接、日本人野手へと禅譲されるのか…。

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