湘南・茅ケ崎には「クラフトビールの文化が似合う」 脱サラ…夢を起業、小さなブルワリー開業へ

小規模ビール醸造所の開設へ向け準備を進める辻明さん、裕子さん夫妻=茅ケ崎市

 湘南に個性的な味わいのクラフトビール文化を根付かせようと、マイクロブルワリー(小規模ビール醸造所)が20日、神奈川県茅ケ崎市にオープンする。「脱サラ」して起業した店主が長年の夢を実現させた。地域の憩い、交流の場として、タップルーム(バー)も備える。

 JR辻堂、茅ケ崎駅のほぼ中間、「桜道」の愛称がある市道沿いの一角にある新築ビルの1階に「Tsuji Brewing」を開業するのは、同市在住の辻明さん(42)。繁華街から少し離れ、閑静な住宅街に囲まれたエリアだ。

 もともとビール好きで大学卒業後は大手飲料メーカーに就職。商社に転職してからは、英国、米国にそれぞれ5年間駐在。その間に個性的で地域に密着したマイクロブルワリーに触れた。

 「米国では家庭でビールを造るホームブルーイングが盛んで、友人などに手作りビールを振る舞う」と辻さん。欧米では一つの街、村に地域の人々が憩い、交流するマイクロブルワリーがあるという。

 「趣味やスポーツ、読書などとともに、軽くビールをたしなむ。海を臨みゆったりとした時間が流れる湘南にはクラフトビール文化が似合う」と捉えていた辻さんは、湘南の地で店を開く夢を膨らませた。

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