山梨大学、医学部付属病院で新型コロナ後遺症外来をスタート

2021年11月15日から、山梨大学は医学部付属病院で新型コロナウイルス感染症の後遺症外来をスタートさせる。症状の専門家と連携を図りながら、心のケアや漢方治療など多方面から診療する。

山梨大学によると、新型コロナウイルス後遺症外来は毎週月曜日の午前中、総合診療部で行う。対象となるのは16歳以上で、発症からおおむね4週間以上経過した患者。小児の患者に対する対応は現在、準備している段階。受診はかかりつけ医を通じた予約が必要になる。治療方針を決定し、一定の経過観察が済むと、かかりつけ医の元へ戻す。

新型コロナウイルス感染症は疲労感や呼吸困難感、匂いや味の喪失、痛み、脱毛、気分が晴れないなど幅広い。中国・武漢での調査では症状の重さにかかわらず退院の6カ月後に、80%の人が何らかの症状を訴えているとの報告が上がっている。

米国では発症から平均6カ月後に約30%が後遺症を抱えているとの調査結果が明らかになった。日本でも発症から120日後に10%前後の患者が後遺症を持つとする報告が出ている。しかし、治療法はまだ確立していない。

後遺症に関する大阪府の電話相談には、7月の開設から9月末までで約1,500件の声が寄せられるなど、患者にとって状況は深刻。このため、後遺症外来は大阪市北区の北野病院、高知県南国市の高知大学医学部付属病院、東京都港区の北里大学東洋医学総合研究所など各地で開設が続いている。

参考:

【山梨大学】「新型コロナウイルス後遺症外来」の開始について(PDF)

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