長崎国際平和映画祭 日米の視点で平和考える

 国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館は12月19日、長崎市平野町の長崎原爆資料館ホールで「長崎国際平和映画祭」を開き、原爆や戦争をテーマに国内外で制作された3作品を上映する。このうち米国人監督が長崎と広島の被爆者や、旧日本軍による米ハワイ・真珠湾攻撃の生存者の「心の傷」と「和解」に迫ったドキュメンタリー映像は国内初上映。監督や出演者による対談も予定している。
 祈念館は2010年から、映画などを通じて戦争や平和について考えるイベントを開催。昨年は新型コロナウイルス禍で開催せず、今年は2年ぶりに開く。
 国内初上映の作品は、米国のジョージ・K・ハンター監督による「サクラと真珠 第二次世界大戦からの癒し」(21年)。日本からは長崎の被爆者の山脇佳朗さんや、広島の被爆者で歴史研究家の森重昭さんが出演し、監督との対談にも参加する予定という。撮影に協力した同館職員の横山理子さんは「広島と長崎からの一方的な発信だけでなく、海外の視点も描かれている。映画を通じて共通認識が生まれ、国際交流につながれば」と期待する。
 映画祭では他に、カナダ在住の被爆者サーロー節子さんの半生を追ったドキュメンタリー映画「ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに」(19年)と、被爆医師の故秋月辰一郎さんらをモデルにしたアニメ映画「NAGASAKI 1945 アンゼラスの鐘」(05年)も上映する。
 日程は▽「ヒロシマ-」上映=(1)午前10時40分~正午(2)午後4時50分~6時15分▽「サクラ-」上映と監督・出演者のトークセッション=午後1時~3時▽「NAGASAKI-」上映=午後3時15分~4時35分。入場無料。作品ごとに申し込みが必要で、11月30日まで同館ホームページ内の専用フォームで受け付ける(応募多数の場合は抽選)。問い合わせは同館(電095.814.0055)。

© 株式会社長崎新聞社