阪神・梅野 FA宣言なら引く手あまた! ライバル球団が絶賛する「第3、第4の武器」

去就が注目される阪神・梅野(東スポWeb)

国内FAの資格を得た阪神・梅野隆太郎捕手(30)が今オフの権利行使について「しっかり考えたい」と熟考の構えを見せている。今季130試合に出場した疲労を考慮され、秋季練習への参加を免除されている扇の要は、日本シリーズ終了後のFA期間まで、じっくりと考えをめぐらせることになる。

矢野監督も「自分で得た権利で周りの評価を聞きたいというのは俺も(現役時代は)思ったし、そういうのはFAしかない。球団は球団で残ってもらう努力はしっかりしてくれると思う」と梅野について言及。あくまでも本人の意向を尊重する構えをみせたが、チームの正妻から〝三くだり半〟を突き付けられる結末だけは何としても避けたいところだ。

2019年に捕手のシーズン日本新記録となる123捕殺をマークした強肩に加え、〝梅ウォール〟と称される鉄壁のブロッキング技術は、プロ野球ファンの多くが知るところ。今季最終盤こそ不振に陥りスタメンの座を坂本に譲ったが、一時は得点圏打率6割を超えていた勝負強い打撃も大きな魅力だ。

セ・他球団のスコアラーは、梅野について「ディフェンス面、打撃面も脅威だったが、他にも厄介だったのが足の速さと犠打のうまさ」と指摘。

「特に開幕当初の『6番・佐藤輝、7番・梅野、8番・中野』と続くオーダーは本当に手を焼いた。打ってつなげて走れる梅野が下位打線にいることで、9番の投手をはさんで1番打者の近本まで打線が有機的につながっていた。佐藤輝やサンズが不振でスタメンを外れるようになって開幕オーダーの形が崩れ、梅野自身も打撃不振に陥るようになったあたりから阪神打線には怖さを感じなくなった」と続ける。

「梅野が阪神からいなくなってくれればウチとしては当然楽ですよね。捕手としての守備面だけでなく、足と器用さで打線をつなぐキーマンでもあるわけですから」

今夏の東京五輪でも日本代表に選出された攻守の要がタテジマを脱げば、悲願の来季Vも当然遠のくことになる。球団の総力を挙げての慰留が必要になってくるが、背番号2の決断は――。

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