〈コリア・ニュース・コラム〉2015年の水害復旧、陰の功労者 電力供給に努めた「羅先市送配電部」

2015年8月に深刻な水害に見舞われた朝鮮の東北部、咸鏡北道羅先市に軍が投入され、早期に復旧した。

当時、その復旧のスピードについては、国内メディアが様々なエピソードとともに報道したが、軍部隊の活動を陰で支えた現地の集団がいた。

水害に見舞われた羅先市

 「羅先市送配電部」。労働新聞11月3日付が紹介した。

 当時、豪雨は送電塔や変圧器をも押し流し、夜になると市内は真っ暗に。羅先市送配電部の職員の中には家族を失った者もいたが、一丸となって埋もれた数十台の変圧器を修理し、延べ数十キロメートルの電線を臨時復旧させた。その電力をもって昼夜を問わず復旧作業を行うことができた

 その後、羅先市送配電部では自らの力で建設した生産基地で各種電器を生産しながら、市内の電力系統現代化に努めた。

復旧し復旧した

 輸入に依存していた電流変成器を製作し、電力の損失が大きい油圧変圧器を乾式変圧器に改造することによって国家に少なくない利益をもたらした

 リ・ホギュン支配人は18のときから40余年間、この送配電部に勤めている。

 夢は高圧碍子(電気を絶縁し電線を支えるための器具)の生産。ある外国の工場を見学した際、さまざまな電力設備が流れるように生産されるのを見て衝撃を受けたという。

 そこで持って帰った高圧碍子を見ながら、いつか必ず生産したいと思っていた。何百回の失敗を経てついに昨年、製作に成功した。

 当初は電柱にのぼるのが苦手だったというリさん。人々の目につかない地味な仕事でも、市民の生活と経済を支える大事な仕事だという誇りがあるという。

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