長崎・興福寺で開創400年法要 鐘撞き初め、隠元像の開眼式も

撞き初め式に参加する関係者=長崎市、興福寺

 日本で黄檗宗(おうばくしゅう)を開いた中国の高僧、隠元禅師が来日後に滞在した長崎市寺町の興福寺(松尾法道住職)で14日、開創400周年記念法要があった。中国から贈られた鐘の撞(つ)き初め式と隠元禅師銅像の開眼式も併せて行われた。
 黄檗宗大本山萬福寺(京都府宇治市)の近藤博道(はくどう)管長や張大興駐長崎中国総領事、中村法道知事、檀家(だんか)総代ら約250人が参列。時折、雨が降る中、厳かな雰囲気で進んだ。

隠元禅師銅像

 鐘は今年2月に隠元の出身地、福建省が寄贈。高さ約2メートル、直径約1.2メートルで外側に「世界和平」と刻まれている。銅像は約3.4メートル(台座込み)。北京の中国美術館館長で著名な彫刻家、呉為山(ごいざん)氏が手掛け、今月初めに設置が終わったばかりだった。

 開創400年は昨年だったが、コロナ禍で1年延期。松尾住職は「日中両国の関係が難しい時期でも黄檗は400年途絶えず交流を続けてきた。長崎と福建省、そして日本と中国の友好関係がさらに深まるきっかけになれば」と話した。

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