常盤貴子が、ドキュメンタリー映画「ムクウェゲ『女性にとって世界最悪の場所』で闘う医師」でナレーションを務めることが分かった。TBSのドキュメンタリー映画を総括する新ブランド「TBS DOCS」から公開が決定した本作は、2022年3月4日から新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほかにて上映される。
映画は「女性にとって世界最悪の場所」と呼ばれているアフリカ大陸コンゴ民主共和国東部で、性暴力によって肉体的、精神的に傷ついた女性たちを20年以上にわたって無償で治療してきた婦人科医、デニ・ムクウェゲ氏の闘いの日々を追ったドキュメンタリー。2018年には、ムクウェゲ氏の医師としての長年の活動にノーベル平和賞が授与されている。
ムクウェゲ医師のパンジ病院には年間2500～3000人の女性たちが運ばれてくる。終わることのない治療の日々から「根本的に問題を解決しなければ、永遠に女性たちの治療を繰り返すことになる」と気付いたムクウェゲ医師。そしてこの地での女性たちの身に起きている悲劇と、何が原因なのかを世界に向けて発信し始めた。
コンゴにあるレアメタル、すずなどの豊富な鉱物資源。武装勢力によるその地を巡る利権争いが、女性たちの悲劇を生んでいた。あなたのスマホが誰かの犠牲によって作られていたら…？ この同じ世界で今起きていること。人ごととは言えない現実がそこにはある。
常盤は「この映画を見る前と後では、世界の見え方がまるで変わってしまうだろうな、と思った。遠く縁もゆかりもない国で起きていることだと思われるかもしれない。でも…同じ女性の身に起きていることだと、想像してみてほしい。欲望を満たすためではなく、心と身体を壊すための『レイプ』。自分に一体何ができるのか。きっと、まずは『知ること』です。先進国に生きる私たちは、この悲劇の要因を作り出してしまっている。立ち止まる責任があるのだと思う」とメッセージを寄せている。
