韓国著作権機関「イカゲームの日本作品パクリ説は不当だ」「カイジの設定はただのアイデア」

世界で視聴率1位となったネットフリックスの『イカゲーム』をめぐり、日本の『カイジ』や『神さまの言うとおり』などからの剽窃疑惑が度々指摘されているが、韓国の著作権関連の公的機関がこれを否定する弁護士見解を発表した。

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『イカゲーム』のファン・ドンヒョク監督は「この作品を構想した2008年、日本のサバイバルゲームやデスゲームを素材とした映画をたくさん見た」とし「その作品からインスピレーションを受けたのは正しいがジャンル的なクリシェと見ていただければいいと思う」と話している。続けて「イカゲームを観た方はご存知だろうが、展開方式は全く異なり、私たちの作品だけの差別点が確実だ」と付け加えた。

クリシェとは「陳腐な表現や固定観念」を意味するフランス語だ。映画やドラマなどで常套的なプロットを指すときにたくさん使う。ファン監督の言葉は、大勢の人が命をかけてサバイバルゲームに参加したが、相当数が悲劇的最後を迎えるというプロット自体は、誰も独占的著作権を主張できない一つの普遍的叙事詩構造であるとの見解であると分析される。

画像:イカゲームのワンシーン/Netflix

韓国著作権委員会は月刊『著作権文化』11月号において「イカゲーム盗作論議」を取り上げ、注目を集めている。文を書いたチェ・スンス弁護士は「映画やドラマ領域での盗作判断は著作権法分野の中でも最も難しい領域」としつつ、「先行著作物と後行著作物を比較するとき、クリシェのような慣行的表現は比較対象から除外しなければならない」と明らかにした。続けて「基本的なアイデアやコンセプトが似ていても、作家や監督がそのコンセプトを解いていく表現方式や内容が異なるように展開されると、それは著作権侵害と判断できない」と付け加えた。

こうしたいくつかの基準を踏まえ、チェ弁護士は「イカゲームに与えられる著作権侵害の疑いは不当だ」と結論を下す。彼は「イカゲーム」のシナリオ作家と監督が日本のジャンル映画で様々な作品のアイデアと設定を持ってきたとしても著作権侵害とみるのは難しい」と強調した。

そして「イカゲーム」は同じデスゲームである日本作品でモチーフやアイデアを得たとしても、既存の作品とはテーマ、プロット、エピソードの展開、登場人物の設定や相互関係、または葛藤関係、雰囲気、速度などで著しい違いを見せている」と説いている。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「日本の作品の宣伝にもなるんじゃない?」

「監督がカイジを大好きなのは伝わる。クリシェを超えているように感じる…」

「良いからカイジ読んでみろって」

「聞いたこともない日本の作品が全世界的名声を得たイカゲームと同じなわけないw」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

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