テロ想定し訓練 等々力競技場で

 川崎市中原区の等々力陸上競技場で17日、化学兵器によるテロを想定した訓練が行われた。中原署や中原・臨港消防署、警視庁田園調布署など約200人が参加し、緊急時の行動を確認した。

 昨年11月のパリ同時多発テロでは、サッカースタジアムなど不特定多数が集まる場所が標的となった。2019年には横浜開催のラグビーワールドカップ、20年には東京五輪を控えているため、同競技場で初めてテロ対策訓練を行った。

 サッカーの試合中のスタンドで、男2人組が観客を刃物で切り付け、化学物質とみられる液体入りのビニール袋を置いて逃走したと想定。観客を避難誘導しながら、防護服を着た警察官や消防隊員らが負傷者を救出した=写真。空気で膨らませる除染テントを設置し、飛散防止措置も取った。逃走した容疑者を、県警と警視庁で連携して確保するための緊急配備訓練も行った。

 中原署の担当者は「満員だった場合は大きな混乱が予想される。スムーズに避難誘導ができるよう、今後も対策を考えていきたい」と話していた。

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