東名あおり運転差し戻し審、来年1月27日に横浜地裁で初公判 裁判長が期日指定

横浜地裁

 大井町の東名高速道路で2017年、あおり運転を受けた夫婦が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪などに問われた無職の男(29)の裁判員裁判の差し戻し審初公判が来年1月27日に横浜地裁で開かれることが16日、分かった。15日付で同地裁の青沼潔裁判長が期日を指定した。

 事故を巡っては、東京高裁が19年12月、懲役18年とした横浜地裁での一審判決を破棄し、地裁に審理を差し戻した。検察、弁護側とも上告せず、裁判員裁判のやり直しが決まっていた。

 高裁判決は一審に続き危険運転致死傷罪の成立を認めたが、「一審の訴訟手続きに明らかな法律違反がある」と指摘した。

 地裁の公判前整理手続きで、裁判官が同罪の成立を否定する見解を表明したことから、検察側はその後、事故が起きるまで夫婦らを停車中の車内にとどまらせたとする監禁致死傷罪を予備的訴因として追加。だが、判決では一転して危険運転致死傷罪の成立を認めたことから、高裁は「被告や弁護側に対する不意打ち」と問題視した。

 高裁判決などによると、被告は17年6月5日夜、事故現場から約1キロ手前の中井パーキングエリアで、車の止め方を注意されて憤慨。静岡市の男性=当時(45)=一家のワゴン車にあおり運転を繰り返し、ワゴン車の手前で停止。追い越し車線上に止められたワゴン車に後続の大型トラックが追突し、男性と妻=当時(39)=が死亡、同乗の娘2人も負傷した。

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