横浜DeNAの来季コーチ就任が決まっているOBの小杉陽太氏(35)が16日、横須賀市夏島町の2軍施設「DOCK」で取材に応じ、データを生かした投手の育成、指導に意気込みを見せた。「データ活用は球界全体でまだ浸透していない。何か一つでも、チームや選手にとってプラスになれば」と語った。
現役時代に6勝を挙げた右腕は、当時から米大リーグのデータ解析ツールなどに関心があったという。2017年に引退した後はイベント会社を経営。今年は四国学院大で投手コーチを務めた。
経営者の傍ら、ここ2年間はデータ解析の腕を磨き、投げたボールの回転数などを測定する機材「ラプソード」も自費で購入。会員制交流サイト(SNS)を通じて依頼があった全国の大学や高校に赴き、測定や助言もしてきた。
その指導力などが買われ、5年ぶりの古巣復帰が決まったが、横浜DeNAも以前から最先端機器を導入し、データを駆使している。「一番難しいのはデータを技術につなげること」と小杉氏。「選手に数字だけ見せてもなかなか伝わらない。自分たちの感覚とうまく融合させられたら」と意欲的に語った。