「疲れたね。いろいろ言われる立場だから」立民・福山氏がのぞかせた本音

【資料写真】福山哲郎氏

 「枝野代表が辞任する状況にしてしまい、幹事長として本当に無念。多くの仲間を国会に戻すことができなかったことも本当に無念としか言いようがない」

 衆院選で立憲民主党の議席を減らした責任を取って辞任する福山哲郎幹事長は、特別国会が閉会した12日の会見で唇をかんだ。

 4年前。福山氏は旧民進党の分裂劇で立民を結党した枝野幸男代表に従って幹事長に就いた。直後の衆院選で一気に野党第1党に。昨年は旧国民民主党との合流を主導し、国会議員150人を超える「大きな塊」をつくった。

 最大野党の幹事長には国会内で全国紙各社の番記者がついて回る。地元紙記者にとっては近くて遠い存在になっていくが、2カ月ほど前、議員会館の廊下で個別に顔を合わす機会があり、京都でうたわなかった「野党共闘」についてぶつけた。

 「福山さんは中央と京都で言っていることが違うと聞きます。二枚舌じゃないんですか」
 福山氏は否定した。そして、どうすれば自公政権を倒せるのか、その大義のためには「立場」で振る舞わなければならない、と-。

 「1強多弱」の与野党の状況は、政権のおごりや緩みをもたらしたとされる。緊張感ある政治を取り戻すため、福山氏は自らが盾になり、その役回りを演じていたのかもしれない。

 12日、「最後」の会見を終えた幹事長と廊下を歩いた。「疲れたね。あっちからもこっちからも、いろいろ言われる立場だから」と本音をのぞかせた。

 4年と1カ月。野党第1党の幹事長の在任期間としては最長という。

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