南の大統領選挙、朝鮮ネットメディアの見方 「積弊清算を求める民衆の意思は変わらない」

来年3月に行われる南朝鮮の第20代大統領選挙の候補者が確定し、選挙戦が本格スタートした。

事実上の一騎打ちとなる与党候補の李在明・京畿道前知事と最大野党候補の尹錫悦前検察総長の政策や発言が連日メディアを騒がせている。

 膠着状態が長期化する朝鮮半島情勢においても重要な潮目の一つとなる南の大統領選挙。朝鮮国営の朝鮮中央通信や朝鮮労働党機関紙の労働新聞などの主要メディアは触れないが、わが民族同士やメアリなどの対外向けウェブサイトが度々論評を掲載している。

インターネットメディア・メアリ

とりわけ保守野党・国民の力の候補者については辛辣な批判を投げかけている。週刊の統一新報は「そんなに人材がいないのか」「出だしからきしむ大統領選」などの見出しや風刺漫画で皮肉り、メアリは国民の力で誰が候補者になろうと「親朴槿恵系、積弊勢力、維新独裁の復活となる」と警告した。

 党内選挙で当選した尹錫悦候補は、選挙戦が本格化するにつれ保守色をいっそう鮮明にしている。「全斗煥擁護発言」で謝罪に追い込まれた同氏は10日、謝罪のため訪れた光州で遺族と市民から大反発を受け、墓地の半径50メートル以内に近づくことすらできなかった。

 これに対してわが民族同士は「当然の待遇」「肉親を失った光州の人民たちに向き合う資格もない」と看破。「積弊清算を求める民衆の意思は変わらない」―、朝鮮メディアの主張は守旧勢力の本質を突き、民心を代弁するものだ。

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