【MLB】2023年オフFA大谷翔平と「取引する柔軟性残す」 エンゼルス先発補強は単年契約焦点?

エンゼルスと契約合意したノア・シンダーガード【写真:Getty Images】

シンダーガードと球団FA史上投手最高額で単年契約

エンゼルスは16日(日本時間17日)、メッツからFAとなっていたノア・シンダーガード投手を獲得したと発表。米メディアによると、エンゼルスがFA市場で獲得した投手史上最高額の年俸2100万ドル(約24億円)で単年契約を結んだ。大谷翔平投手のさらなる二刀流での活躍も期待される来季に向け、今後の補強はどうなっていくのだろうか。

米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は「なぜエンゼルスはノア・シンダーガードと大きな1年契約を結んだのか」と題して、敏腕で知られるケン・ローゼンタール記者が分析。トミー・ジョン手術の影響でこの2年でわずか2イニングしか投げておらず、来季も125イニング程度だと予想。高額契約について、ライバル球団のある幹部が「とんでもなく滑稽だ」と言ったと報じた。

しかし大谷と合わせて6人制ローテーションを採用するとみられるエンゼルスにとっては好循環となるかもしれない。エンゼルスの問題点として「少なくともあと1人は先発投手を補強しなくてはならず、しかもそれは月並みな投手ではない」と指摘した。ジャスティン・バーランダーは東海岸のチームと契約することに惹かれているとし、マーカス・ストローマンはブルージェイズ時代にペリー・ミナシアンGMと繋がりがあるが「エンゼルスが支払うことをいとわない額よりも高くなるだろう」と述べた。さらにアンソニー・デスクラファニやアレックス・ウッド、スティーブン・マッツといった他のFA投手も安くは済まないと予想している。

2023年のシーズンオフにFAになる大谷について「年俸調停で2023年に記録的な年俸を得るかもしれないが、1年契約で他の投手と契約することは、エンゼルスがオオタニと取引する柔軟性を残す」と言及。複数年契約で高価な先発投手と契約することは「現実味が少ないと思われる」と否定した。

また米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」も、エンゼルスは短期契約のローテ補強に焦点を当てていると指摘。まだ先発ローテーション補強を狙っており、MLBネットワークのジョン・ヘイマン記者によると「短期契約に焦点をあてている」という。同記者はジャスティン・バーランダー投手がフィットする人物としたが「少なくとも2年以上の契約を求めているとの声もある」とした。

同サイトによると、エンゼルスは2012年12月に当時FAだったジョー・ブラントン投手と2年契約を結んだのを最後に、FA先発投手と複数年契約を結んでいない。1年契約を好む傾向が続く場合として、FA市場の中にいる1年契約を結びそうな投手にザック・グリンキー、ダニー・ダフィー、ジョニー・クエト、リッチ・ヒルの名前を挙げた。(Full-Count編集部)

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