佐藤琢磨選手が小学生の夢後押し ツインリンクもてぎでカート全国大会開催

予選通過を逃した選手を優しく励ます佐藤琢磨選手

 若手レーサーの育成にも熱心なレーシングドライバー佐藤琢磨(さとうたくま)選手(44)が14日、ツインリンクもてぎ(TRM)で全国の小学生を集めたカート大会を開催した。世界最高峰のF1を戦い、世界三大レースの一つといわれる「インディ500」で2度優勝したトップドライバーが、レーサーを夢見る子どもたちを温かく励まし、貴重な経験を積む機会を設けた。

 大会は8年目の「TAKUMA KIDS KART CHALLENGE (琢磨キッズカートチャレンジ)2021」ファイナル大会。TRMでのファイナル大会開催は初めて。

 今夏、全国27カ所のサーキットで好タイムを記録した北海道から沖縄までの2~6年生男女94人が参加した。予選から勝ち上がった13人が、8周で争う決勝ファイナルレースに臨んだ。最前列から終始リードを守った大阪市、小学4年ファン・ヘイン君(9)が優勝し、佐藤選手がインディ500で手にした優勝トロフィーのミニチュアトロフィーを表彰台で掲げた。

 「モータースポーツを通じて子どもたちを元気に」と、東日本大震災の復興応援プロジェクトの一環で2014年から同大会を開いている佐藤選手。予選通過を逃した選手を「次にまた頑張ろう」と励まし、レース中の接触で順位が後退し涙を流す選手2人の話にじっくりと耳を傾けた。「また一緒に走ることもあるよ」と、仲間同士共に伸びていこうと語り掛けるなど、終始優しいまなざしを向けていた。

決勝レースでトップを快走するファン選手

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