【追う!マイ・カナガワ】神奈川「県民歌」知ってます! 懐かしむ声続々と

「県民歌 光あらたに 決まる」と報じ、歌詞も掲載した1950年3月3日付の神奈川新聞

 神奈川の県民歌「光あらたに」について取り上げた14日付の「追う! マイ・カナガワ」の記事に、多くの反響があった。年配の方を中心に、みんなで歌った幼少期や学生時代を懐かしむ声が続々と届いた。

◆「朝礼で歌った」「今の人も歌って」

 記事は、1950年に制定された県民歌を「知っている人はどれくらいいる?」という開成町の男性の声を基に取材。制定15年後に「歌われぬ県民歌」という悩みが報じられていたことや、歌詞には「平和の花の咲くところ」といった戦後の自由な空気が表現され、「ぜひ歌って」という専門家の声も紹介した。

 厚木市の女性(73)は、相模原町が市になった54年に小学校1年生だった。市制施行を祝った旗行列で、練習した県民歌を歩きながらみんなで歌ったという。女性は「あの晴れ晴れとしたうれしい気持ちは覚えているし、今の人にも県民歌を歌ってもらいたい。私のように記事を読んで昔を思い出した年配者は多いのでは」と思いを寄せた。

 横須賀市の男性は「記事を読んで『もちろん、知ってるさ』と。逗子高校に通った3年間、朝礼で歌った。歌詞は太平洋に向かって輝く神奈川のイメージ」といい、卒業から54年たった今も口ずさむという。

◆映画館のニュースで流れていた

 記事では、4番の歌詞に公害を想像させる表現があったため、歌われなくなった歴史も紹介したが、伊勢原市の女性(74)は「4番があったとは知らず、1番しか聞いていないが、とっても良い歌詞だと思っていました」と話す。

 「私の愛唱歌で風呂で歌っている。若いころ音楽講座の発表会で歌って、当時の長洲知事が指揮したこともあった」という横浜市の女性(66)や、「生徒に県民歌を教えたが、あまり歌いたがらなかった」という元音楽教師のほか、「昔は映画館で本編が始まる前に5分くらい『神奈川ニュース』が流れ、イントロで光あらたにが流れていた」「昭和50年代には県民歌を学校で習ったので今でも歌える」との思い出も。一方、記事で県民歌を初めて知った人も多く、伊勢原市の女性は「聴いてみたい」という。

 記事では県内14市に市歌があることも伝えたが、寒川町出身の30代男性は「寒川にも町歌がある」と“自慢”を寄せてくれた。

◆取材班から 

 本紙読者相談室に電話をくれた川崎市の80代の女性は「今でも歌えます」と電話口で口ずさみ、「1番しか覚えてないことに今気付きました」。2番以降の歌詞が気になるというので、制定当時の記事も再掲します。

 戦争を経て、平和の思いが託された「光あらたに」。県民に愛され、未来でもその音色が響いてほしい。

© 株式会社神奈川新聞社