アストンマーティンF1代表サフナウアー、アルピーヌへの移籍報道を否定「冗談から生まれたうわさかも」

 F1ブラジルGPの週末、アストンマーティンF1チーム代表のオットマー・サフナウアーは、自分がアルピーヌに移籍する可能性についてのうわさを否定、そういう報道がなされたことに驚いたと語った。

 サフナウアーが将来アルピーヌに加入することで「基本合意に達した」と一部メディアが報じ、ブラジルGPを前に、うわさが加速した。

 これを受けてサフナウアーはInstagramを通して「うわさはメディアによる推測に過ぎず、事実に基づいたものではないと、この場で積極的に明らかにすることに決めた」とコメントし、報道を完全に否定した。

 ブラジルGPの金曜記者会見に出席したサフナウアーには、当然のことながらこの話題がぶつけられたが、彼にとっては事実関係を明確にするチャンスでもあった。サフナウアーは、このうわさには「驚いている」と語った上で、次のように述べた。

「(アルピーヌのCEO)ローラン・ロッシがメキシコにおいて、アルピーヌが組織変更を行うと述べたと思うが、それを受けて、私がアルピーヌから欲しがられているという推測が持ち上がるというのは、お世辞でもうれしいことだ」とサフナウアーは語った。
「必要とされるのはいつも素晴らしいものだからね」

「私はこのチームで12年を過ごしているが、離れるつもりはない」と2009年以来チームにいるサフナウアーは付け加えた。

「私はこのチームを愛している。特にレーシング・ポイント時代からのシニアマネージャーたちのほとんど、そしてシニアリーダーシップチームは、私が採用して配置を行った。彼らから離れるつもりはない」

「私はこのチームに対して忠誠心を持っている。このチームで仕事をしてきた12年間に多くのオファーを受けてきた。財政破綻し、破産状態になった時期には特にだ。去るチャンスは何度もあった。だが、私にはこのチームのスタッフたちへの忠誠心がある」

 サフナウアーは、アストンマーティンと長期契約を結んでおり、現在移籍することは考えていないというものの、将来アルピーヌに移る可能性が100パーセントないとは断言しなかった。

「将来を予測することは不可能であることを私はずっと昔に学んだ。それができたら、私は今頃ベガスにいるだろう」

 今シーズン中の記者会見のなかで、アルピーヌCEOのロッシが放った軽い冗談から、このうわさが生まれた可能性もあると、サフナウアーは考えている。

2021年F1ベルギーGP オットマー・サフナウアー(アストンマーティンF1チーム代表/右)とローラン・ロッシ(アルピーヌCEO)

「私がローラン・ロッシの隣に座っていた時だと思うが、(『Daily Mail』のジョナサン・)マッケボイが、『アストンマーティンは新たにCEOを雇ってあなたの仕事を取り上げようとしているのですか』といったことを尋ねた。私はそのことは何も知らなかった」とサフナウアーは語った。

「その時、ロッシは、『辞めるなら、我々と話をしよう』と冗談めかして言った。それが『Auto Hebdo』の記事のきっかけになったのかどうかは分からないが、そういうことがあった」

「繰り返しになるが、私は今所属しているこのチームに完全にコミットしている。私はここに永遠にいる。離れるつもりはまったくない」

「シーズン残りに集中しなければならない。今シーズンは我々が考えていた方向や形にはあまり進んでいない」

 サフナウアーは、アルピーヌに関する最近のうわさについて、アストンマーティンF1チームオーナーのローレンス・ストロールとは話していないという。

「うわさについて話してはいない。メディアで多くのことが報じられる。それについて我々の間では話をしない」

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