情報収集は“ググる”よりも“タグる”…若者の“検索離れ”は本当なのか

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、データで見る“若者のネット検索事情”について取り上げました。

◆今の若者はググらない、SNSで"タグる”傾向に

今回、若者のネット検索事情について解説してくれるのは、博報堂生活総合研究所 上席研究員でデータ分析の専門家であるNewsPicksのプロピッカー・酒井崇匡さん。

開口一番、酒井さんが「興味深い調査がある」と紹介したのは「最近の10代・20代のSNSの利用目的」についての結果。これまでSNSのニーズは「友人・知人の近況を知りたい」などだったものの、最近は「情報収集」のために活用する若者が増えてきていることが顕在化。

「今の若者は情報収集の際、Googleのようなブラウザを使って検索する"ググる”より、SNSのハッシュタグで検索する"タグる”。SNSの利用法に変化がある」と言います。

これを聞いたキャスターの堀潤は「確かにInstagramを見ていてもタグの付け方が巧妙。本当に多彩」と感心する一方で、キャスターの田中陽南はよくタグっているようで、「ご飯を調べるときも地名とランチなどを付けて入れると(写真が)たくさん出てくるので本当に便利」と率直な感想を述べます。

法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さん、生理への理解を広げる団体「#みんなの生理」共同代表の谷口歩実さんともども日常的にタグっていたものの、"タグる”という言葉は初耳だそう。

その上で、「旅行に行くときなども、そこの建物がどんな感じなのかGoogleよりもInstagramなどのほうがリアルに知れる」と谷口さん。また、番組Twitterには「ググると広告ばかり上に出てくるから、今は邪魔」という声も。

◆若者の検索離れはデマ…SNSの普及により、むしろ増加

総じて、今はググることが少なくなり、"検索離れ”が叫ばれることもあるそうですが、酒井さんは「若者はSNSでしか情報収集しないのかというと、実際は違う傾向も見えてきている」と言います。というのも、年代別ブラウザ検索数(月間平均)を見ると、20代の平均値は2016年が約30回だったところ、2020年は約40回に増加。「実は(若者は)ググっていないわけではなく、検索離れはしていないという結果が出てきた」と指摘します。

そもそも私たちは、新しいものが出るとそれまでのものが全て置き換わり、シフトしていくと考えがちですが、「逆に新しいものの登場でそれまであったものも活性化することもある」と酒井さん。つまり、SNSの利用が増加することで、より多くの新情報を得る機会が増え、それをより詳しく知りたいときにブラウザで検索する、そうした循環が生まれていると解説します。

実際、スマホでブラウザ検索をした人がその前後にどんなアプリを使っていたか調査したところ、若者ほどSNSを使っている傾向があることが実証済み。しかし、これは今後も続くのかといえばそうではなく、すでに中国などでは状況が変わってきているとか。

谷口さんも同じようにSNSの投稿で興味のあるもの、わからないものがあればGoogleで調べているそうで、自身の活動におけるSNSと公式サイトでの情報発信の棲み分けに関しては、「拡散してほしいものはハッシュタグをつけてSNSを使う。記録として残しておきたいものは公式サイトに載せるようにしている」と話します。

また、田中も「SNSは個人の声として見ていて、インターネットはちゃんとした情報を調べるのに使っていて、自然と使い分けしているのかもしれない」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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