旧グラバー住宅の展示一新 きょうから一般公開 資料を基に寝室も再現

保存修理工事が完了した「旧グラバー住宅」。「家族や知人が集う部屋」は古写真を参考に、より史実に基づいた展示にした=同市南山手町

 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産「旧グラバー住宅」(長崎市南山手町)の保存修理工事が約3年をかけて完了した。古写真などの資料を基に展示を全面改修。寝室も新たに設けた。18日から内部を一般公開する。
 グラバー園内にある同住宅は、現存する国内最古の木造洋風住宅で、スコットランド出身の貿易商トーマス・グラバーが幕末に過ごした。展示の改修は1968年以来2回目。
 寝室は改修前、通路だった。長男の倉場富三郎から父グラバーに宛てた手紙を分析し、住宅の中心に寝室があったと判明した。「家族や知人が集う部屋」などは古写真を参考に、似ているテーブルや椅子、食器などをそろえ、当時を再現している。
 17日、関係者向けの内覧会があった。保存修理を監修したブライアン・バークガフニ名誉園長(71)は、史実に基づきグラバーの功績や暮らしを感じる展示になったと評価。「資料の分析や発信などの博物館機能を持ち、歴史を伝える場所になってほしい」と期待を込めた。田上富久市長は「グラバー園を起点にして長崎にたくさんの人を迎える動きを活発にしていきたい」とあいさつした。
 市は石畳の改修を経て、12月下旬に全面公開する予定。

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