ロシアの宇宙飛行士から名づけられた団地で育った少年の青春 フランス映画「ガガーリン」公開決定

第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションの初監督作部門に選出されたフランス映画「GAGARINE/ガガーリン」が、2022年2月25日に劇場公開されることが決まった。

「GAGARINE/ガガーリン」は、フランス・パリ郊外に実在するガガーリン公営住宅を舞台にした青春映画。「地球は青かった」の言葉で有名な宇宙飛行士ガガーリンに由来する名前を持つ公営住宅で育った16才のユーリは、団地の名前に導かれるかのように宇宙飛行士を夢見ながら、かつて自分を置いていった母の帰りを待ち続けていた。そんな中、2024年パリ五輪開催のため、老朽化したガガーリン団地の解体計画が持ち上がる。ユーリは帰らぬ母との大切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友だちのフサームとディアナと一緒に、取り壊しを阻止するために動き出す。

監督は、本作が長編デビューとなるファニー・リアタールとジェレミー・トルイユの男女2人組。団地が建設された1960年代当時の時代背景やインパクトのある外観、ロシアの宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンから名づけられている事に興味を持ったことが、本作を制作するに至った経緯だという。また、特定の地域に住む子供たちについてステレオタイプな描かれ方について疑問を抱いた彼らは、解体前のガガーリン団地で実際に撮影を行い、ノスタルジックで幻想的な映像美の中に、繊細な若者の心の機微を描き出した。

主演は、本作で見いだされたアルセニ・バティリ。主人公の揺れる心情を体現し、映画デビュー作ながら各国の映画祭にて主演男優賞を受賞した。若手女優のリナ・クードリのほか、レオス・カラックス作品の常連ドニ・ラヴァンが特別出演している。

【作品情報】
GAGARINE/ガガーリン
2022年2月25日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開
配給:ツイン
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