シグマ:シネマカメラボディとの相性をデモ。KOMODOとマウントアダプターを介した際の相性を試せる[Inter BEE 2021 展示レポート]

シグマブースは相変わらずの賑わいの中でも、落ち着いた印象を受けるのは、製品への自信からくるものだと思われる。Inter BEE向けの新製品発表はなかったものの、シグマブースを訪れる来場者の数は多い。

その中でRED「KOMODO」があり、RF-EFのマウントアダプターを介し、シグマのEFマウントレンズを装着した状態で展示されていた。装着されているシグマのレンズはシネレンズではなく、スチル用の透過性の高いオートフォーカスレンズなのだが、なぜシネレンズを装着していないのかといえば、問い合わせを頂く中で、KOMODOにマウントアダプターを介してオートフォーカスレンズを装着した場合、オートフォーカスが正常に動作するのかというものが多数あり、実機で試してもらう意味も含め、シネレンズをあえて装着していない状態で展示されている。この辺もそこはかとなくシグマの製品への自信が垣間見えるところだ。

そしてシネレンズでは「FF Classic Prime Line」を前面に押し出している。 Classic Primeの特徴として、昨今のコーティング重視で高コントラストのレンズのアンチテーゼともいえる、低コントラストで印象的なレンズフレアやゴーストを思う存分入れ込み、色褪せないクラシカルな映像表現と共に、シグマのシネレンズが特徴。高い解像感を両立させていて、14mmから135mmまでの10本のレンズを展示している。

Classic Primeでは、レンズフレアやゴーストを発生しやすくするために、組み合わせるレンズの中で一部のレンズのコーティングを除いたり、レンズのシミュレーションを細かく行い、同等のルックが再現できるように制作されている。そしてレンズに刻まれたゴールドの「Classic」の文字は、会津塗の職人が一つ一つ仕上げているのもFF Classic Prime Lineの特徴だ。

シグマといえば「fp」も忘れてはならない。 世界最小最軽量のフルサイズミラーレスカメラとして登場したfpだが、コンセプトとしてシネマカメラであり、スチルカメラでもあるという。そのことは録画時間に表れており、スチルカメラで動画が撮れる場合、録画時間が約30分に制限されているわけだが、fpに関してその制限は適用されていない。

また、表示などに関してもシネマカメラライクにするか、スチルカメラライクにするか任意で選択することができ、使用者に合わせて使い慣れた表示で操作することができる。またfpを、ディレクターズビューファインダーとして使用するユーザーも増えているようで、現場では突発的にサブカメラとしても使うことができると好評のようだ。

このほかにも、ミラーレスカメラ専用レンズの「I series」等も実機を触れるようになっているので、フルスチールで作られた金属の手に伝わる感触と、独特のフォーカスリングの感触もぜひ試してもらいたい。

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