富士フイルム:今年はシネレンズ「Premista」を総力を挙げて展示[Inter BEE 2021 展示レポート]

今年の富士フイルムのシネレンズへのこだわりは半端ない。特にその最前線に立つ「Premista」へのこだわりは、他のブースと一線を画すもので、撮影ステージの周りにはPremistaシリーズのレンズをつけられたカメラが何台も並んでいる。

近年、富士フイルムが力を入れて開発と販売に努めているのが、ラージフォーマットセンサー対応の高性能シネマカメラ用ズームレンズ「Premista」シリーズだ。その力の入れようは今回のInter BEEでも表れている通り、ブースはPremista一色という感じである。

ソニーやARRIといったシネマカメラと共に、マウントアダプターを介して富士フイルムのフラッグ機であるGFXと組み合わせたものもあり、多様なカメラに対応できることを示している。

取材に対応して頂いた担当者によると、Premistaはそのカメラが持つセンサーなどの性能を一切邪魔することなく、そのカメラが持つ本来の性能を余すことなく発揮できるレンズに仕上げているとの事で、この強い言葉からも富士フイルムの本気と自信がうかがえる。

その中でも今回の目玉といえるものが、マットボックス製造で有名なドイツのChroszielが、Premista専用のサーボユニットの制作を手がけることになり、動作する状態で展示されている。

もともとPremistaは、映画やCM制作を行うためにフルマニュアルレンズとして制作されたものだが、フルマニュアルレンズを使用した経験の少ないカメラマンには、特に敷居の高いレンズとなっているわけだが、今回の発表されたChroszielのサーボユニットを装着することによって、苦手意識の払拭につながり、フルマニュアルレンズという敷居を格段に下げることができるものだろう。

Premistaのラインナップは「19-45mm T2.9」「28-100mm T2.9」「80-250mm T2.9-3.5」の三本があり、三本とも展示されているので、それぞれをじっくり試すことができる。

もちろん、フジノンのポータブルレンズ展示エリアも用意されているので、フルマニュアルレンズと共に試すことができる。ぜひこの機会に足を運び、ご自分の目と手で試してもらいたいブースの一つである。

© 株式会社プロニュース