DeNA石田は大幅2050万円減 楠本は930万円増、田中俊は現状維持…4選手更改

契約更改したDeNA・田中俊太、石田健大、嶺井博希、楠本泰史(左上から時計回り)【写真:球団提供】

嶺井は300万円減の年俸2700万円、正捕手争い激化に危機感

DeNAは18日、横浜スタジアム内で4選手が契約更改交渉を行った。主に左の代打として活躍した楠本泰史外野手は930万円増の年俸2310万円、石田健大投手は2050万円減の6490万円でサイン。嶺井博希捕手、田中俊太内野手を含め、全4選手が契約を更改した。(金額は推定)

○嶺井博希(3000万円→2700万円)

今季はプロ8年目にして初めて開幕スタメンに名を連ねたが、6月21日に2軍落ちすると、そのまま昇格できずじまい。36試合出場、打率.189、0本塁打7打点に終わった。出場試合数は2018年の91試合をピークに右肩下がり。9月には右肘のクリーニング手術を受けた。「契約を結んでいただけるだけで、ありがたい」と頭を垂れた。DeNAの捕手陣は今季、23歳の山本が台頭し、伊藤光、戸柱、高城らを含めて定位置争いは混戦模様。「僕はもう30歳で、アピールとか言っている立場ではない。試合に出た時にしっかり結果を残し、チームが勝てるようにしたい」と危機感をあらわにしていた。

○田中俊太(1700万円→1700万円)

昨年オフ、梶谷が巨人へFA移籍した人的補償として加入した。今季開幕戦では、古巣の巨人を相手に4打数3安打6打点と活躍したが、勢いは続かず。58試合出場、打率.148、0本塁打8打点に終わった。「開幕戦もチームは負けているので、活躍できたとは思っていない」と語り、「シーズンを通して安定した成績を残せなかった。これが今の自分の実力。しっかりバットを振ること、1年間やれる体力をつくることをテーマに練習を続けていきたい」と思いを新たにしている。

石田大幅減俸も「先発もリリーフも両方できることが持ち味だと思っている」

○楠本泰史(1380万円→2310万円)

4年目の今季は、左の代打の切り札として存在感を示した。代打打率.295、同出塁率.347は出色だった。9月7日に本拠地・横浜スタジアムで行われた巨人戦で大江から代打3ランを放つなど、左投手も苦にしないことが持ち味だ。本人は「周りの方々からは、よくやったと言っていただいているのですが、自分としてはキャンプは2軍スタート、開幕後も2か月ファームにいたので、悔しさの方が大きいシーズンでした」と貪欲。シーズンオフには、同じ左打ちの日本ハム・近藤、広島・西川らが鹿児島・徳之島で行う自主トレに参加する予定だ。「近藤さん、西川さんは僕にとって理想像。コンタクト能力に長け、四球も選びながら、勝負強い打撃ができる。ああいう選手になりたい」と語り、他球団の強打者への弟子入りを、レギュラー奪取のきっかけにするつもりだ。

○石田健大(8540万円→6490万円)

昨季は貴重な中継ぎ左腕として50試合に登板、防御率2.53と活躍したが、今季は一変。33試合、同5.73と振るわなかった。「ボールが悪かったわけではない。打者へ向かっていく強い気持ちが足りなかった」と反省。今オフは「今までと同じことをしていては、同じ過ちを繰り返すだけ。トレーニング1つ1つに、ちゃんとした意図を持って取り組みたい」と巻き返しを期す。今季最終登板となった9月23日のヤクルト戦では、今季唯一の先発で4回5安打3失点。「(先発とリリーフの)どちらかをやりたいということはない。どちらもできることが1番の強みだと思っている。どっちをやっても、今まで以上の成績を残したい」と“チームファースト”の姿勢に変わりはない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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