日本ハム・新庄“新体制”に期待大! OB田中幸雄氏は2人のコーチに「黄金時代再来」を予感

新庄剛志監督の組閣に期待が高まっている(東スポWeb)

日本ハムは18日に「ビッグボス」新庄剛志監督(49)をバックアップする新体制を発表した。なかでも目を引いたのは、野手の新任コーチの2人。今季までのアマスカウトから、ヘッドコーチとなった林孝哉コーチ(48)と、新任で内野守備走塁を担当する稲田直人コーチ(42)だ。一見、地味に見える今回の人選だが、球団OBからは〝黄金時代再来〟に期待する声が出ている。

林コーチは二軍打撃コーチを務めていた2017年以来5年ぶりの現場復帰、稲田コーチは12年に楽天で現役引退して以来、NPBでは初の指導者就任となる。そんな人事に「話題性だけでなくもう一度、強いファイターズが見られるという期待も膨らみますね」と話すのが、OBで17年まで日本ハムの二軍監督を務めた田中幸雄氏(53)だ。

2人を知る田中氏は「少し時代は違いますが、それぞれに強い時代のファイターズを知っていること。林はコーチ、稲田は選手時代を通じて、どうやって強くなってきたかを経験してきている。だからこそ今のチームに何が足りていないかを、説得力をもって選手に伝えることができるのでは。新庄監督も稲葉GMも2人には、そういう期待を寄せるのではないか」と話す。

林コーチは1991年に当時のダイエー(現ソフトバンク)に入団、選手では一軍実働8年、稲田コーチも社会人から日本ハム入団後、06年から実働7年と、選手としては華々しい実績があるわけではない。だが、林コーチは14~17年まで日本ハム一、二軍でコーチを歴任し、西川ら多くの若手に関わり、17年の日本一達成に貢献。稲田コーチも06~09年の日本ハム在籍4シーズンで日本一1回、リーグ優勝3回を経験するなど、ユニホーム時代に「勝ち方」を肌身で体感してきた人材でもある。

それだけに田中氏は指導の中身も「頭で覚えるよりも、繰り返し何度も反復して体で覚える、というようなものも多くなるはず」と予測する。

「彼らは現役時代、そういうやり方で自分のポジションなり、ベンチでの居場所を確保して一軍で勝つことに貢献してきた。日本ハムはとくにここ数年、練習も『量より質』を追求したものが多かったように思えますが、量的なものも求める方向に、シフトチェンジするのでは? やはり『勝てていない』のは事実。そこをしっかりと向きあっていくために呼ばれたのではないかと思いますよ。見た目の練習の中身は、むしろ新鮮味にはかけるメニューの連続になるかもしれませんが」(田中氏)

北海道移転後5度のリーグ優勝、2度の日本一はいずれも少ない好機を確実にモノにし、高いディフェンス力も誇った堅実な野球。ド派手なボスも実は理想とする「昭和の野球」を担い手として、2人への期待値は高まるばかりだ。

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