フェラーリF1代表、スプリント予選でのリバースグリッド導入を検討すべきだと主張。ハミルトンの追い上げが好例

 批判の多いリバースグリッドの話題は一掃されたかと思われたが、フェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットは、リバースグリッドをふたたびスポットライトの下に戻した。

 ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、第19戦ブラジルGPの土曜日に行われた24周のスプリント予選で最後尾から5番手まで追い上げるというずば抜けた走りをして、ブラジルの観衆から称賛を浴びた。ビノットは、ハミルトンの目覚ましい走行について、スリリングなエンターテインメントを生み出しF1のスプリントレースのコンセプトを盛り上げるための検討事項を呈したと考えている。

「(リバースグリッドについて)実現可能だと考えている。正直なところ、多くのオーバーテイクがあり非常に面白かった」とビノットは語った。

「我々は間違いなくスプリントレース形式についてリバースグリッドを検討すべきだと思う。目にしたことを考えれば、議論の余地はないと思う」

2021年F1第19戦ブラジルGPスプリント予選 ルイス・ハミルトン(メルセデス)&セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

 F1は来シーズンにはスプリント予選の開催数を倍にする予定だ。F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは最近、主催者から30分間のスプリントレースを週末のレースに組み込んでほしいという要望が多く寄せられていることを明らかにした。

 しかしながら、スプリントレースへのリバースグリッド導入は、フォーミュラ・ワン・グループが最近実施した世界的な調査によると、ファンに歓迎される可能性は低い。そのコンセプトはコース上のショーを人工的な仕掛けで盛り上げようとしているに過ぎないと懸念されているのだ。

 F1のスポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、2022年にはファンの意見にしたがう可能性が高いが、いずれかの時点でアイデアを試すことに今も熱心だ。おそらくはチャンピオンシップとは関係のない、独立した土曜日のスプリントレースのようなもので行うことが考えられるだろう。

 今年の9月には、ブラウンは「もしリバースグリッドを行うとしたら、独立したレースでの実施が検討されるかもしれない」と語っている。

「金曜日に予選、日曜日にレース、そして間にある程度の報酬が与えられる独立したレースを考えている。だがグリッドにおいてどのように始めるかということが少々危ういことかもしれない」

「だが常に意識する必要がある。我々は仕掛けを求めていないし、人工的なショーを求めていない。グランプリと相反させたくないし、グランプリの威厳に影響を与えたくない」

「難しいバランスだ。だがポテンシャルは間違いなくある」

2021年F1第19戦ブラジルGPスプリント予選 スタートシーン
2021年F1第10戦イギリスGPスプリント予選 スタートで首位に立ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

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